養殖ヒラメ4割死ぬ問題を解決、熱湯の微生物で化粧品市場開拓
養殖ヒラメ4割死ぬ問題を解決、熱湯の微生物で化粧品市場開拓

養殖ヒラメの4割が死ぬという深刻な問題を、熱湯に生息する微生物が解決した。この微生物を活用した化粧品メーカーが、畜産・水産市場を切り開くまでを追う。

養殖ヒラメの死亡率が4割からゼロに

例年、4割が育つ途中で死んでいた養殖ヒラメが、1匹も死ななかった。エサを食べても育たないウナギの「ヒネ」が成長し始めた。インドで実施した実験では、子牛の下痢発症率が0%になった。

一見すると共通点のないこれらの成果を生み出したのは、大分県別府市の熱湯で見つかった1つの微生物だ。

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熱湯微生物の発見と研究

この微生物を発見したのが「SARABiO熱湯微生物研究所」である。もともとは「熱湯には、なぜ効果があるのか」を科学的に解き明かそうと研究を始めた企業だった。研究結果はまず化粧品として事業化され、その後、畜産・水産、さらに医療へと応用範囲を広げている。

別府の熱湯で見つかった微生物は、なぜ魚や牛、さらには人の健康にも応用できるようになったのか。同社会長の窪田明氏にその歩みを取材した。

科学的な裏付けのない「熱湯の効能」

「美肌の湯」「冷え性の湯」として知られる別府温泉。その効能は古くから語り継がれてきたが、長らく言い伝えの域を出ず、科学的な裏付けは十分ではなかった。

SARABiO熱湯微生物研究所は、2009年に熱湯の湯や泥に生息する微生物の研究を開始。2011年には新種の麹菌微生物「RG92」を発見し、高い抗酸化作用を持つことを確認した。2015年に特許を取得し、その後も細胞実験、動物実験、ヒト実験を重ね、2020年には研究成果がオランダの薬学専門誌に査読付き論文として掲載された。

細胞・動物・ヒトで同じ傾向

「細胞、動物、人間。この3つで同じ傾向のデータが出るケースは本当に少ない。それだけ信頼性が高いということです」と窪田氏は説明する。

同社は、このRG92を活用したヘアケア・スキンケア製品を開発し、化粧品事業を展開するが、この開発は美容分野だけにとどまらなかった。

論文の数字では市場は動かない

「論文の数字では市場は動かない」と窪田氏は語る。20年の歳月をかけて実証実験を重ね、化粧品から畜産・水産、医療へと応用範囲を広げてきた。

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