コンサート会場で群集事故のリスク、背景に「転売ヤー」の存在 消費者事故調が調査開始
コンサート会場で群集事故リスク、転売ヤー背景に調査

2024年秋、新潟県内で開催された人気アイドルグループのコンサートで、開演前に会場内の通路が異常な混雑を見せ、群集事故が発生しかねない状況となっていたことが、消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)が2025年9月下旬に開始した調査のきっかけとなった。消費者事故調は、ドームやアリーナといった大型施設での音楽イベントにおける入退場時の群集事故リスクを未然に防ぐ方策を提言するため、混雑メカニズムの解明を進めている。

音楽市場の活況と大型化する公演

ぴあ総研の調査によると、2025年のライブ・エンターテインメント市場規模(ライブ・ステージ)は8564億円(前年比12.6%増)となり、3年連続で過去最高を更新した。動員1人あたりの単価は9286円(同4.5%増)、1公演あたりの平均動員数は915人(同1.7%増)で、興行規模の大型化と単価上昇が市場成長を支えている。

消費者事故調は、入場者数の増加に伴い、従来のコンサートホールではなく大人数を収容できる大型施設での公演が多数に上っていると指摘。しかし、「多くの来場者が一斉に移動することを前提としていない構造になっている施設もある」として、混雑発生メカニズムの解明を急いでいる。

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新潟公演で起きた危険な混雑

調査の直接のきっかけは、2024年秋に新潟県で行われた人気アイドルグループのコンサートだった。現場にいた観客から「事故が起きかねない状況だった」との申し出が消費者庁に寄せられていた。SNSにアップされた画像には、会場へ続く階段や通路に観客が立ち並び、初詣の混雑を思わせるような様子が映っていた。

2025年11月、愛知県で行われた同じアイドルグループの全国ツアー公演の会場近くで、新潟公演にも行っていた30代の女性が取材に応じた。女性の話から、当日の混雑状況が明らかになった。

混雑の背景にチケット不正転売問題

取材を進めると、混雑の背景にはチケットの不正転売問題が絡んでいることが判明。いわゆる「転売ヤー」が大量のチケットを買い占め、高額で転売する行為が、観客の流れを乱し、通路や入場ゲート付近での滞留を引き起こしている可能性が指摘されている。

消費者事故調は、今後、混雑の実態調査や施設構造の検証を進め、再発防止策をまとめる方針。音楽業界では、チケットの本人確認強化や転売防止策の導入が進んでいるが、抜本的な解決には至っていない。

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