生成AIエンジニアの年収、日本は世界最下位級 米国との差は3倍以上
生成AIエンジニアの年収、日本は世界最下位級

生成AI(人工知能)エンジニアの年収を国別に比較した調査結果が明らかになり、日本は主要国の中で最下位級であることが分かった。米国との差は3倍以上、アジアのライバルであるシンガポールと比べても約半分の水準にとどまっている。

年収比較:日本は米国の約3分の1

調査を実施したのは、人材紹介会社のHENNGE(東京都渋谷区)だ。同社が2025年3月に発表した「生成AIエンジニアの年収調査」によると、日本の生成AIエンジニアの平均年収は約800万円(約5万3000ドル)だった。

一方、米国は平均約25万ドル(約3750万円)で、日本の約4.7倍に相当する。シンガポールは約15万ドル(約2250万円)で、日本の約2.8倍。英国は約12万ドル(約1800万円)、ドイツは約11万ドル(約1650万円)と、欧州主要国も日本を大きく上回る。

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アジアでは、中国が約10万ドル(約1500万円)、韓国が約9万ドル(約1350万円)と推定され、日本はインド(約6万ドル)と同程度かやや低い水準にある。

背景:AI人材の需要急増と日本の賃金停滞

生成AI市場は急拡大しており、OpenAIのChatGPT登場以降、世界中でAIエンジニアの需要が高まっている。しかし、日本のITエンジニア全体の平均年収は約600万円(2024年時点)と、国際的に見て低水準が続いている。生成AI分野でもその傾向は変わらず、報酬面での競争力の低さが顕著だ。

HENNGEの担当者は「日本企業はAI人材の獲得競争で明らかに劣後している。特に、トップクラスの人材は海外に流出するリスクが高い」と指摘する。

影響:人材流出と日本の競争力低下

年収格差は、優秀な人材の海外流出を招く恐れがある。実際、日本のAI研究者やエンジニアが米国やシンガポールの企業に転職するケースが増えている。あるIT業界関係者は「このままでは、日本の生成AI分野での国際競争力がさらに低下する」と警鐘を鳴らす。

一方で、日本企業は報酬以外の魅力(働きやすさ、安定性、福利厚生など)を訴求して人材確保を図っているが、効果は限定的だ。専門家は「グローバルな市場価格に見合った報酬体系への見直しが急務」と提言する。

今後の展望:企業と政府の対応が鍵

この状況を打開するため、一部の外資系企業やスタートアップは高額報酬を提示している。しかし、多くの日本企業は年功序列や社内均衡を重視するため、個別の高額オファーを出しにくいのが実情だ。

政府もAI人材育成に力を入れており、2024年度からAI関連の大学院拡充やリスキリング支援を進めている。しかし、年収格差の解消には、企業の人事制度改革と産業全体の生産性向上が不可欠とみられる。

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