野村HDがカストディ事業参入、暗号資産管理で新会社設立へ
野村HD、暗号資産カストディ事業参入へ新会社

野村ホールディングス(HD)は2024年3月19日、暗号資産(仮想通貨)のカストディ(保管)事業に参入すると発表した。新会社「野村デジタルアセットカストディ株式会社」を設立し、機関投資家向けにビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの暗号資産の管理・保管サービスを提供する計画だ。サービス開始は2025年度中を予定している。

新会社の概要と事業内容

新会社は野村HDの完全子会社として設立される。資本金は非公開だが、野村HDは同事業の立ち上げに数十億円規模の投資を見込んでいる。カストディ業務では、暗号資産の秘密鍵の管理や資産の分別管理、取引の承認などを行う。また、コンプライアンスやリスク管理体制の構築も進め、顧客資産の安全性を確保する。

野村HDはこれまで、暗号資産関連では投資ファンドへの出資やブロックチェーン技術の研究を行ってきたが、カストディ事業への本格参入は初めて。機関投資家からの需要が高まっていることを受けて、新たな収益源として育てる方針だ。

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背景と市場動向

近年、米国でビットコイン現物ETF(上場投資信託)の承認が相次ぎ、機関投資家の暗号資産への関心が高まっている。日本でも、2024年4月に改正資金決済法が施行され、暗号資産カストディ業者が金融庁の登録制となるなど、規制環境が整備されつつある。

野村HDの担当者は「機関投資家が暗号資産に投資する際、安全な保管・管理サービスへのニーズが拡大している。当社の金融インフラとしての知見を生かし、信頼性の高いサービスを提供する」とコメントしている。また、野村HDは将来的に、暗号資産のステーキングやレンディングなどの付随サービスも検討する方針だ。

競合と業界への影響

国内では、SBIグループや三菱UFJ信託銀行などが既に暗号資産カストディ事業に参入している。野村HDの参入により、競争が一層激化すると見られる。特に、野村HDは国内最大手の証券グループであり、そのブランド力と顧客基盤を活用することで、機関投資家からの信頼獲得を目指す。

業界関係者は「大手金融機関の参入が相次ぐことで、暗号資産市場の成熟が進む。一方で、規制強化や競争の激化により、中小のカストディ業者は淘汰される可能性もある」と指摘する。野村HDの参入は、日本の暗号資産市場にとって大きな転機となるかもしれない。

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