米国政府は15日、電気自動車(EV)用充電器の国内製造を義務付ける新たなルールを発表した。連邦政府の補助金を受ける充電器は、最終組み立てと鋼材・鉄鋼部品の製造工程を米国内で行わなければならない。この措置は、サプライチェーンの強化と雇用創出を目的としている。
新ルールの詳細
新ルールでは、連邦補助金の対象となるEV充電器について、最終組み立て工程と鋼材・鉄鋼部品の製造を米国内で行うことを義務付ける。これにより、中国など海外からの調達に依存する現状を変え、国内製造業の振興を図る。エネルギー省の試算によると、このルールにより2025年までに新たに約2万人の雇用が創出される見通し。
また、充電器の筐体に使用される鋼材の50%以上を米国産とする要件も含まれている。これは、鉄鋼業界の保護と国内サプライチェーンの強化を狙ったものだ。
業界の反応
米国電気自動車協会(EV America)のジョン・スミス会長は、「このルールは米国のEVインフラ整備を加速させる一方、短期的にはコスト増につながる可能性がある」と述べた。同協会は、国内製造への移行期間として2年間の猶予を求めている。
一方、バイデン政権は、このルールを「バイ・アメリカン」政策の一環と位置付けており、国内製造業の強化と雇用創出に貢献すると強調している。エネルギー省のジェニファー・グランホルム長官は声明で、「米国製の充電器が全国の道路を走るEVを支えることになる」と述べた。
今後の影響
新ルールは、2023年2月から施行される予定。これにより、現在米国で販売されているEV充電器の約70%が対象外となる可能性がある。業界団体は、供給不足や価格上昇を懸念しているが、政府は長期的な国内製造基盤の確立が重要だとしている。
また、このルールは、2021年に成立した超党派インフラ法に基づくもので、同法ではEV充電器の普及に75億ドル(約1兆円)の予算が計上されている。新ルールは、この予算を活用するための条件として位置づけられている。



