トヨタの新車販売が世界一に、EVシフトで生き残る戦略とは
トヨタ世界一販売、EV戦略で生き残りへ

トヨタ自動車は2024年の世界新車販売台数(グループ全体)で首位を維持した。しかし、電気自動車(EV)シフトが加速する中、トヨタのEV販売は伸び悩んでおり、今後の生き残り戦略が注目される。

2024年販売実績と首位維持の要因

トヨタグループ(ダイハツ工業、日野自動車を含む)の2024年世界販売台数は前年比3.7%減の約1082万台だった。それでも、フォルクスワーゲン(VW)グループの約903万台を上回り、4年連続で世界一となった。トヨタはハイブリッド車(HV)の販売が好調で、特に北米市場でHV需要が高まっている。

一方、EV販売は約14万台にとどまり、全体の1%強に過ぎない。競合の米テスラ(約180万台)や中国の比亜迪(BYD、約176万台)に大きく水をあけられている。

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EVシフトの課題と多路線戦略

トヨタはEVへの全面移行ではなく、HVやプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)など複数の選択肢を提供する「マルチパスウェイ戦略」を掲げる。しかし、世界の主要市場でEV規制が強化される中、この戦略が持続可能か疑問視する声もある。

トヨタの豊田章男会長は「お客様の選択肢を狭めるべきではない」と述べ、多様なパワートレインの重要性を強調している。また、水素エンジン車の開発も進めており、2023年には水素エンジンを搭載したカローラクロスを限定販売した。

中国市場での苦戦と新興勢力の台頭

中国市場では、BYDや上海汽車などの地元メーカーがEVで急成長し、トヨタのシェアは低下傾向にある。2024年の中国販売は前年比約15%減の約180万台だった。トヨタは中国でのEV生産を強化するため、現地合弁会社と共同で新型EVの投入を計画している。

また、インドや東南アジア市場ではHVの需要が堅調で、トヨタはこれらの地域でHVとEVの両方を展開する方針だ。

今後の展望と競争激化

トヨタは2025年にEV販売を40万台に引き上げる目標を掲げるが、達成には課題が残る。一方、BYDは日本市場への参入を加速しており、2025年までに100店舗体制を目指す。トヨタは国内でもEVのラインアップ拡充を急ぐ。

自動車業界では、ソフトウェア定義車両(SDV)や自動運転技術の開発競争も激化している。トヨタは2024年、次世代車両向けの新しいOS「Arene」を搭載した車両の量産を計画している。

トヨタの佐藤恒治社長は「変化を恐れず、新たな価値を創造する」と述べ、変革への意欲を示している。しかし、EVシフトの波に乗り遅れれば、世界一の座を脅かされる可能性もある。

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