トヨタ自動車と日産自動車が、次世代電気自動車(EV)向け全固体電池の量産技術において協業を検討していることが、2026年7月18日までに複数の関係筋の話として明らかになった。両社は、2028年までの実用化を目指しており、生産工程の共通化や設備投資の分担を通じて、開発コストと量産コストの大幅な削減を図る方針だ。
全固体電池の量産に向けた課題
全固体電池は、従来のリチウムイオン電池に比べてエネルギー密度が高く、急速充電が可能で、発火リスクが低いとされる次世代電池技術だ。しかし、量産化には電解質の材料や積層プロセスなどの技術的ハードルが高く、各社が単独で開発を進めるには巨額の投資が必要となる。トヨタと日産は、共同でこれらの課題に取り組むことで、競争力を高める狙いがある。
関係者によると、両社はすでに技術者レベルの交流を開始しており、2026年秋には正式な協業契約を結ぶ方向で調整している。具体的には、電解質の材料調達やセル製造装置の共通化、生産ラインの設計などで協力する見通しだ。
業界への影響と今後の展望
今回の協業は、日本の自動車メーカーがEV分野で存在感を示すための重要な一手とみられる。トヨタはこれまでハイブリッド車で先行してきたが、EVシフトが加速する中で全固体電池の早期実用化を急いでいる。日産は、軽自動車向けEV「サクラ」で一定の成功を収めたが、航続距離の延長が課題となっており、全固体電池の搭載で差別化を図りたい考えだ。
市場関係者は「両社の協業が成功すれば、日本の電池産業全体の競争力向上につながる」と評価する一方、海外メーカーとの競争が激化する中で、スピード感が求められると指摘する。また、全固体電池の量産コストが現行のリチウムイオン電池と同等になるのは2030年以降との見方もあり、協業による効率化が鍵を握る。
トヨタと日産は、今回の協業について「現時点で決定した事実はない」とコメントを控えているが、業界内では「両社が本格的に動き出した」との見方が強まっている。



