メルセデス・ベンツグループは、電気自動車(EV)市場の減速を受け、バッテリー調達戦略を大幅に見直すことを明らかにした。同社はこれまで、自社でのバッテリー生産や特定サプライヤーとの長期契約を重視してきたが、需要の不透明感が強まる中、調達の柔軟性を高める方向へ舵を切る。
EV販売の低迷と戦略転換の背景
メルセデスは2024年、EV販売台数が前年比で減少し、特に中国市場での競争激化が響いた。これを受け、同社は高級車セグメントへの集中とコスト削減を進めており、バッテリー調達もその一環として見直される。
バッテリー調達の新たな方針
具体的には、複数のサプライヤーからの調達比率を引き上げ、地域ごとに最適なバッテリーを調達する方針だ。また、リチウムイオン電池に加え、リン酸鉄リチウム(LFP)電池の採用も拡大する。これにより、コスト削減と供給リスクの分散を図る。
高級車戦略との整合性
メルセデスは、高価格帯のEVモデルに注力する一方で、エントリーモデルの投入を遅らせている。バッテリー調達の柔軟性向上は、こうした戦略を支えるものとみられる。同社は2030年までにEV販売比率を50%以上に引き上げる目標を掲げているが、市場環境の変化に応じて柔軟に対応する姿勢を示している。
業界全体への影響
メルセデスの戦略転換は、自動車業界全体のバッテリー調達にも影響を与える可能性がある。特に、高級車メーカーがLFP電池を積極的に採用する動きは、電池メーカーの生産計画にも変化をもたらすだろう。
メルセデスは、バッテリー調達の多様化を通じて、EV事業の収益性改善を目指す。今後の動向が注目される。



