ホンダは今春、4代目となる新型「インサイト」を日本で発表した。限定3000台の販売で、価格は550万円(モノグレード)。ボディカラーは5色で、取材車両は鮮やかな水色「アクアトパーズ・メタリックⅡ」だった。このモデルは、中国市場を強く意識したデザインと戦略が特徴で、ホンダの国内EVフラッグシップとして位置づけられる。
中国市場を意識した車名とデザイン
インサイトという名称は、シビックとアコードの中間の車格にふさわしく、ホンダが「プレリュード」復活や「CR-V」再投入など伝統的な車名を重視する中で、先進的なイメージを持つ車名として選ばれた。しかし、そのデザインには中国市場の嗜好が色濃く反映されている。特にフロントとリアの「くの字」型ライティングや、バンパーの横基調ルーバーは、他のホンダ車では黒塗りが一般的だが、新型インサイトでは目立つ仕上げとなっている。
東風本田の影響と中国市場戦略
新型インサイトは、中国の合弁企業である東風本田のアイデンティティが各所に感じられる。ホンダは昨年秋のジャパンモビリティショーで参考出品した「0(ゼロ)」シリーズの「0サルーン」と「0SUV」の生産中止を発表したが、残る「0α」はヴェゼルと同等のサイズで販売予定。そのため、インサイトが国内ホンダEVのフラッグシップとなる。
ボディサイズは全長4785mm×全幅1840mm×全高1570mmで、トヨタbZ4Xやスバルソルテラ、日産アリアより長く低い。ホンダのエンジン車ではCR-Vとアコードの中間程度で、幅が抑えられているため日本の道路でも扱いやすい。ホイールベースは2735mmと、bZ4X/ソルテラより115mm、アリアより40mm短い。前後オーバーハングが長めで、エンジン車のようなプロポーションが特徴だ。
EV市場での位置づけと今後の展望
新型インサイトは、中国市場で人気のクロスオーバーSUVスタイルを採用しつつ、クーペに近いフォルムを持つ。全高が高すぎず、最低地上高140mmでSUV感は薄く、18インチホイールが大きく見える。ホンダは中国市場でのEV需要を取り込みつつ、日本でも限定販売することでブランドイメージを高める狙いだ。今後、中国市場での販売動向が注目される。



