読売巨人軍のU-15(15歳以下)ジュニアユースに所属する中学生選手と公募で集まった小学生が、東京都稲城市のジャイアンツタウンスタジアムで運動遊びやグループ活動を行った。一般的な野球教室とは異なり、中学生には児童を教え一緒に考えることで社会的責任感を養い、児童には自ら考え行動する力を育むことを目的とした。
三つのプログラムを順に実施
イベントは「子どもの未来を切り拓く力」を育む特別プログラムとして、U-15チームと日本財団が7月18日に共催。中学2~3年の選手約40人と小学3~6年の児童約120人が参加した。参加者は3班に分かれ、(1)野球型スポーツを通じたチーム力の醸成、(2)マルチスポーツによる挑戦心・自己肯定感の育成、(3)新聞紙を使った造形による思考力・表現力の育成――の三つのプログラムを55分ずつ順番に取り組んだ。
教え込まず共に考える手法
特徴的なのは、やり方を教え込んだり成果を競ったりせず、一緒に考えコミュニケーションを図る進め方を重視した点だ。例えば(1)で実施した中継プレーを模したボールつなぎリレーでは、速さを競いながらも順位は度外視。グループ内の作戦会議でうまくつなぐコツを話し合い、児童から「相手の気持ちをよく考える」「速すぎず、ゆっくり投げる」などの発案があると、中学生選手が共感を示した。付き添ったU-15のコーチは結果そのものより、成功や失敗の理由を考えることの大切さを説いた。
図工教員も協力、自由な発想で造形
(3)では近隣の稲城第一小で図工を担当する教員が協力。細く丸めて棒状にした新聞紙を使ってタワーを作った。作り方も完成形も自由。自立させるのが難しいため、何本もまとめて土台を太くしたり、組み合わせ方を工夫したりと、児童の発想を中学生が手助けするなどして完成させた。
オランダ体育の専門家が提供
(2)では、子どもの自己決定力や社会性を育む「オランダ体育」の専門家、安井隆さんが5種類の遊びを提供。組み体操やドッジボールに似た遊びを楽しんだ。
非認知能力の育成に取り組むU-15
U-15チームは日頃の練習から、野球のスキルを上げる過程で理由や目的を考える自主性を重んじ、「挑戦する力」「考える力」「仲間と協力する力」といった非認知能力の育成に取り組んでいる。関蓮太郎主将は児童と過ごした時間を「教える側って難しいですね。分かりやすい説明を考えることは自分のためにもなりました」と振り返った。
日本財団、初の国内チームとの連携
日本財団はサッカーのイングランド・プレミアリーグのリバプールFCが設立した財団と提携し、スポーツの力を活用した教育プログラムを展開している。担当の梅村岳大・特定事業部長は「日本のチームと組んで行うのは今回が初めて。リーダーシップを学んでもらう良い機会になれば」と期待。練馬区から参加した小学5年生は「共同で作ったり、アウトにしたりすることが楽しかった」と話していた。



