フェラーリの限定ハイパフォーマンスモデル「488ピスタ」が、オークションハウス「BINGO」が6月21日に東京ベイエリアで開催した「BH AUCTION TOKYO 06.21 at City Circuit Tokyo Bay」において、予想落札価格を上回る高値で落札された。実車確認を通じて、その人気の理由を探った。
オークションの概要と落札結果
日本発信型の本格的オークションハウス「BINGO」が主催した今回のオークションには、国内外の名車や希少車が集結。全62ロットのうち43ロットで入札が成立し、落札額の合計は8億7,541万2,600円に達した。その中でも注目を集めた一台が、フェラーリ「488ピスタ」である。
488ピスタとは
「488ピスタ」は、2015年にデビューしたフェラーリの主力V8ミッドシップモデル「488GTB」をベースに、2018年に開発された超高性能スペシャルシリーズだ。車名の「488」は搭載するV8エンジンの1気筒あたりの排気量(488cc)に由来し、「ピスタ」はイタリア語で「サーキット」や「レーストラック」を意味する。つまり、このモデルはル・マン24時間耐久レースなどの世界耐久選手権(WEC)で好成績を収めた「488GTE」や、フェラーリのワンメイクレース車両「488 Challenge」から得た空力技術や軽量化技術を、公道走行用に直接持ち込んだことを示している。
エンジンとパフォーマンス
リアミッドに搭載される3.9リッターV8ツインターボエンジンは、ベースモデルから50PSアップの最高出力740PS(8,000rpm)、最大トルク769Nm(3,000rpm)を発生。7速デュアルクラッチトランスミッション(F1 DCT)を介して後輪を駆動する。0-100km/h加速は2.85秒、最高速度は340km/h以上を誇る。
空力技術と軽量化
レーシングカー直系の空力デバイス「Sダクト」をフロントに搭載し、圧倒的なダウンフォースを獲得。さらに、車両の横滑り制御と連動してブレーキ圧を電子制御する第6世代「フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー」を初搭載。ベースモデルから90kgの軽量化(車両重量1,280kg)を達成し、サーキット走行などの限界領域でのハンドリングをよりコントロールしやすくした。これにより、非プロフェッショナルドライバーでもハイパフォーマンスを楽しめる仕様となっている。
人気の理由
488ピスタが世界的に高い人気を誇る理由として、以下の点が挙げられる。
- 電動化以前の純粋な内燃機関のみで構成されたガソリンV8ツインターボエンジンを搭載する最高峰のスペシャルモデルであること。
- フロントのSダクトをはじめとするレーシングカーさながらの圧倒的な空力ボディが一目で識別でき、羨望の的となること。
- 走行距離を伸ばさずに保管される個体が多く、オークションで高値がつくためリセールバリューが非常に高いこと。
新車時の価格は約3,900万円(オプション除く)。今回のオークションに出品された2019年式ネロデイトナ(黒)の個体は、内装のロッソ(赤)とのコントラストが美しく、カーボンパーツなど多彩なオプションが盛り込まれた高級かつレーシーな仕上がりだった。オークションでの予想落札価格は6,300万円~6,800万円の範囲だったが、実際の落札価格(ハンマープライス)は7,548万円に達し、その人気の高さを如実に示した。



