中国市場における日本車の販売が急速に落ち込んでいる。2024年上半期の日本車メーカーの市場シェアは10%を割り込み、過去最低水準となった。背景には、中国政府の強力なEV(電気自動車)推進政策と、現地メーカーの急速な技術向上がある。
日本車のシェア低下、背景にEVシフト
中国汽車工業協会のデータによると、2024年1月から6月までの日本車メーカー(トヨタ、ホンダ、日産など)の合計販売台数は約150万台で、市場シェアは9.8%に低下。前年同期の12.5%から2.7ポイント減少した。一方、中国メーカー(BYD、吉利汽車など)のシェアは55%を超え、特にEV市場ではBYDが圧倒的な強みを見せている。
「日本メーカーはEVへの移行が遅れ、中国市場の需要に応えきれていない」と、自動車業界アナリストの李強氏は指摘する。中国では2023年に新車販売の約25%がEVとプラグインハイブリッド車(PHEV)となり、2024年には35%を超える見通しだ。
トヨタの戦略転換、中国市場でEV投入加速
トヨタは2024年、中国市場向けに新型EV「bZ3X」を投入し、価格を20万元(約400万円)以下に設定。しかし、BYDの「海豹(シール)」など競合車種が15万元前後で販売されているため、価格競争で劣勢に立たされている。トヨタの中国法人は「現地パートナーとの協業を強化し、EVラインナップを拡充する」とコメントしている。
ホンダも2024年に中国でEV生産を開始したが、販売は低迷。日産は2025年までに中国市場でEVを5車種投入する計画だが、シェア回復は容易ではない。
中国メーカーの台頭、技術と価格で優位
中国メーカーは、政府の補助金や充電インフラ整備の後押しを受け、EVの開発・生産で先行。BYDは2023年に世界で300万台超を販売し、テスラを抜いてEV販売世界一となった。また、電池の自社生産によりコスト競争力を持ち、日本車との価格差は拡大している。
「中国メーカーはソフトウェアや自動運転技術でも優位に立っている」と、上海交通大学の王教授は語る。日本車は品質や燃費で評価されてきたが、EV時代には異なる競争軸が求められている。
日本車メーカーの生き残り戦略
日本車メーカーは、中国市場での巻き返しを図るため、EV専用プラットフォームの開発や、現地企業との合弁事業を加速。トヨタは2026年までに中国でEVを10車種投入する計画。しかし、現地化の遅れやブランド力の低下が課題だ。
「日本車が中国市場で再び存在感を示すには、EVだけでなく、ハイブリッド車や水素車など多様な技術で差別化する必要がある」と、業界関係者は指摘する。中国市場の変化は、日本車メーカーにとって試練であると同時に、変革の機会でもある。



