世界的な電気自動車(EV)シフトが加速する中、日本メーカーの競争力低下が深刻な問題となっている。2024年の世界EV販売台数は前年比35%増の約1500万台に達し、市場拡大が続いている。しかし、日本メーカーのシェアは約5%と低迷し、中国勢が約60%を占めるなど、明暗が分かれた。
中国勢が市場を席巻、日本メーカーは苦戦
中国の比亜迪(BYD)は2024年に約300万台を販売し、世界首位を維持。テスラは約180万台で2位だが、成長率は鈍化している。一方、トヨタ自動車のEV販売は約10万台にとどまり、日産自動車やホンダも苦戦している。日本メーカーはハイブリッド車(HV)で強みを持つが、EVでは出遅れが目立つ。
業界関係者は「日本メーカーは技術力で劣っているわけではないが、EV向けのサプライチェーン構築やコスト競争力で中国勢に後れを取っている」と指摘する。特に電池調達では、中国のCATLやBYDが世界市場の約70%を占め、日本メーカーは依存度を高めざるを得ない。
政府の支援策と企業の対応
日本政府は2035年までに新車販売の100%を電動車とする目標を掲げ、補助金や充電インフラ整備を進める。しかし、EV普及率は約2%と欧州(約20%)や中国(約25%)に大きく劣る。トヨタは2026年までにEV投入を10車種に増やす計画だが、市場シェア拡大には時間がかかるとみられる。
日産は2025年までにEV専用工場を稼働させ、コスト削減を図る。ホンダはGMとの提携を強化し、北米市場でEV販売を拡大する方針だ。しかし、アナリストは「日本メーカーが巻き返すには、電池の内製化やソフトウェア開発で差別化が必要」と指摘する。
世界のEV市場の今後
国際エネルギー機関(IEA)の予測では、2030年の世界EV販売台数は約4000万台に達し、新車販売の約40%を占める見通し。日本メーカーがこの成長市場で存在感を示すには、技術革新と戦略的な投資が不可欠だ。
一方、中国勢は東南アジアや欧州市場への攻勢を強めており、日本メーカーの地盤であるアジア市場でも競争が激化している。日本メーカーが生き残るためには、HVからEVへの迅速な転換と、新興国向けの低価格EVの投入が急務となっている。



