EV販売低迷で中国電池大手CATLの業績に陰り、在庫調整と競争激化が直撃
EV販売低迷でCATL業績に陰り、在庫調整と競争激化

中国の電気自動車(EV)用電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)の2025年第1四半期(1~3月)決算は、売上高が前年同期比で約10%減少し、約800億元(約1兆6000億円)となった。これは、世界的なEV販売の伸び悩みと、業界全体での在庫調整が響いた結果だ。

販売減と在庫調整が収益を圧迫

CATLの売上高減少は、主にEV用電池の出荷量が想定を下回ったことに起因する。中国国内のEV販売は補助金終了後の需要一服に加え、競合他社の台頭により市場シェアが徐々に侵食されている。また、自動車メーカー各社が在庫を積み増す動きを控えたことも、CATLの受注に直接的な打撃を与えた。

同社の広報担当者は「市場環境は厳しいが、中長期的なEV需要の成長トレンドに変わりはない」とコメント。しかし、アナリストからは「在庫調整は少なくともあと1~2四半期は続く可能性がある」との指摘が出ている。

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競争激化と価格下落圧力

CATLを取り巻く競争環境も厳しさを増している。中国国内では、BYD傘下の弗迪電池(FinDreams Battery)や、中創新航(CALB)などがシェアを拡大。さらに、韓国のLGエナジーソリューションやサムスンSDIも中国市場への攻勢を強めている。

こうした競争激化は電池価格の下落圧力となっており、CATLの粗利益率も前年同期比で約2ポイント低下した。同社はリン酸鉄リチウム(LFP)電池やナトリウムイオン電池など、低コスト製品の開発を加速しているが、価格競争の激しさは当面続くとみられる。

海外展開と新規事業への期待

一方で、CATLは海外市場での存在感を高めている。ドイツ・テューリンゲン州の工場は生産を本格化しており、ハンガリーにも新工場を建設中。欧州の自動車メーカー向け供給を強化し、地域分散を図る戦略だ。

また、同社はエネルギー貯蔵システム(ESS)や、船舶・航空機向け電池など新規分野にも注力。ESS事業は2024年に前年比50%超の成長を記録しており、EV依存からの脱却を目指す。

第1四半期の純利益は前年同期比で5%減の約90億元と、減益幅は売上高減少に比べて小幅にとどまった。これは、コスト削減や生産効率化の取り組みが奏功したためだ。

業界関係者は「CATLの技術力と規模の優位性は依然として大きく、短期的な逆風は乗り越えられるだろう」と分析する。しかし、EV市場の成長ペースが鈍化する中、同社の成長戦略は新たな局面を迎えている。

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