電気自動車(EV)の販売が世界的に鈍化する中、バッテリーメーカー各社が部品調達の見直しに動き始めている。これまで急速な需要拡大を見込んで増産体制を敷いてきたが、実際の販売台数が予想を下回ったことで、在庫調整とコスト削減が急務となっている。
需要減速で調達計画を下方修正
業界大手の中国・寧徳時代新能源科技(CATL)は、2024年の生産計画を従来比で約10%削減する方針を固めた。同社は2023年に世界シェア約37%を占める最大手だが、EV販売の伸び悩みを受け、リチウムやコバルトなどの原材料調達量を減らすとともに、サプライヤーとの契約条件の見直しを進めている。
韓国のLGエナジーソリューションも同様に、2024年の設備投資額を前年比で約20%削減する計画を発表。同社の関係者は「市場の不確実性を考慮し、需要に応じた柔軟な生産体制を構築する」と述べている。
サプライチェーン全体に波及
バッテリーメーカーの調達見直しは、部品サプライヤーにも影響を及ぼしている。特に、セパレーターや電解液などの主要部材メーカーは、受注減少に直面している。ある日本の部材メーカー幹部は「バッテリーメーカーからの発注が前年比で15~20%減少しており、生産ラインの稼働率調整を迫られている」と語る。
また、リチウム価格も下落傾向にある。2023年初めに1トン当たり約80万元だった中国市場の炭酸リチウム価格は、2024年6月には約10万元まで急落。これは、需要減退と供給過剰が主因とされる。
中長期的な成長は継続か
一方で、中長期的にはEV市場の成長が見込まれるとの見方も根強い。国際エネルギー機関(IEA)の報告書によると、2030年までに世界のEV販売台数は年間約4000万台に達すると予測されており、バッテリー需要もそれに伴い拡大するとされる。
ただ、短期的な調整局面を乗り切るため、バッテリーメーカー各社はコスト競争力を高める必要に迫られている。CATLは「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池の生産効率を向上させ、2025年までにコストを現状比で30%削減する」と目標を掲げる。



