EV販売低迷で中国電池メーカーに逆風、CATLの戦略転換
EV販売低迷で中国電池メーカーに逆風、CATLの戦略転換

中国の電気自動車(EV)市場の成長鈍化が、世界最大の電池メーカーであるContemporary Amperex Technology Co. Ltd.(CATL)に逆風となっている。EV販売の減速により、電池需要が予想を下回り、CATLは過剰生産能力を抱え、価格競争に巻き込まれている。

販売減速と価格競争の激化

中国自動車工業協会によると、2023年の中国EV販売台数は前年比36%増の約950万台だったが、2024年には成長率が20%未満に減速すると予想されている。この需要減速により、CATLの2023年第4四半期の純利益は前年同期比で約10%減少した。同社はこれまで高エネルギー密度の三元系リチウムイオン電池で優位に立ってきたが、価格競争の激化で収益性が悪化している。

リン酸鉄リチウムイオン電池へのシフト

こうした状況を受け、CATLは戦略転換を余儀なくされている。同社はコスト競争力の高いリン酸鉄リチウム(LFP)電池の生産を拡大し、低価格帯のEV向けに注力する方針だ。CATLの広報担当者は「当社は多様な顧客ニーズに応えるため、LFP電池の生産能力を増強している。これにより、より手頃な価格のEV普及に貢献したい」と述べている。LFP電池は三元系に比べエネルギー密度は低いが、安全性とコスト面で優位性があり、中国の低価格EV市場で需要が高まっている。

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業界全体への影響

CATLの戦略転換は、中国電池業界全体に波及している。競合のBYD傘下のFinDreams BatteryもLFP電池の生産を拡大しており、市場はさらに競争が激化している。アナリストは「CATLの動きは、業界全体がコスト競争に軸足を移していることを示している。これにより、EVの価格低下が進む一方、電池メーカーの利益率は圧迫されるだろう」と指摘する。また、CATLの海外展開にも影響が出ている。欧州や米国でのEV需要も減速しており、同社の海外販売戦略の見直しが必要となっている。

今後の展望

CATLは研究開発にも引き続き投資し、次世代電池の開発を進めている。全固体電池やナトリウムイオン電池などの新技術に注力し、長期的な競争力を維持する狙いだ。しかし、短期的にはLFP電池へのシフトによる収益性の低下は避けられず、投資家の間では懸念が広がっている。CATLの株価は2023年半ばから約30%下落しており、市場の期待に応えるには新たな成長戦略が求められている。

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