中国市場における電気自動車(EV)の販売が鈍化していることを受け、日系自動車部品メーカーは事業戦略の抜本的な見直しを迫られている。特に内燃機関向け部品に依存してきた企業は、需要の減少に直面しており、EV向け部品へのシフトや中国市場からの撤退など、厳しい選択を強いられている。
デンソーが中国で内燃機関部品生産を縮小
大手部品メーカーのデンソーは、中国での内燃機関(エンジン)関連部品の生産を段階的に縮小する方針を明らかにした。同社は中国市場でのEVシフトの加速に対応するため、リソースをEV向けの電動化部品や先進運転支援システム(ADAS)に振り向けるとしている。デンソーは2024年度までに中国でのエンジン部品生産を2021年度比で30%削減する計画で、これにより約1,000人の従業員が異動または再配置の対象となる見通し。
中小部品メーカーは生き残りに課題
一方、デンソーのような大手と異なり、中小規模の部品メーカーは生き残りに深刻な課題を抱えている。ある日系中小部品メーカーの幹部は「EVシフトで内燃機関部品の受注が急減している。新たな事業分野への転換には多額の投資が必要で、単独では難しい」と述べ、業界再編の可能性を示唆した。実際、中国での日系自動車メーカーの販売台数は2023年に前年比で5%減少しており、部品メーカーへの影響は避けられない。
中国市場での競争激化と日系メーカーの対応
中国市場では、BYDなどの地元EVメーカーが急速にシェアを拡大しており、日系自動車メーカーは苦戦を強いられている。これに伴い、部品メーカーも中国市場での競争力を維持するため、価格競争や技術開発で差別化を図る必要に迫られている。ある業界アナリストは「日系部品メーカーは中国市場でのプレゼンスを維持するため、現地企業との提携や合弁事業の強化が不可欠だ」と指摘する。
EV販売鈍化の背景と今後の見通し
中国でのEV販売鈍化の背景には、補助金の縮小や充電インフラの整備遅れ、消費者の購買意欲の低下などがある。2023年の中国新車販売に占めるEVのシェアは約25%で、前年の28%から低下した。しかし、長期的にはEVシフトは続くとみられ、日系部品メーカーは中長期的な戦略の再構築が求められている。



