東南アジアの電気自動車(EV)市場で、中国メーカーが急速に存在感を高めている。特にタイとインドネシアでは、中国勢の現地生産が本格化し、日本車メーカーを脅かす存在になりつつある。
タイ市場での中国勢の躍進
タイは東南アジア最大の自動車生産国であり、EVシフトの最前線となっている。中国のBYDや長城汽車などが相次いで工場を稼働させ、2023年のタイ新車販売におけるEV比率は約10%に達した。日本車メーカーはハイブリッド車で対抗するが、中国政府の補助金を背景にした低価格攻勢に押されている。
インドネシアの資源を活かした戦略
インドネシアは世界最大のニッケル埋蔵量を誇り、EVバッテリーの生産拠点として注目される。中国の寧徳時代(CATL)や湖南裕能などが現地でバッテリー工場を建設中で、完成車メーカーも進出している。インドネシア政府はEV導入補助金を拡充し、2030年までにEV販売シェア25%を目標に掲げる。
日本車メーカーの苦戦と戦略転換
日本勢はこれまでハイブリッド車で優位に立ってきたが、EV分野では出遅れが顕著だ。トヨタはタイでEV生産を開始したが、販売台数は中国勢に大きく及ばない。ホンダや日産もEV投入を加速するが、価格競争では中国勢に劣る。日本車メーカーはバッテリー調達や現地生産体制の強化を迫られている。
東南アジアのEV市場は今後も拡大が見込まれ、中国勢の攻勢は続きそうだ。日本車メーカーが巻き返しを図れるかどうかが、今後の地域自動車産業の行方を左右する。



