中国、EV補助金詐欺で過去最大の制裁金 約26億元
中国EV補助金詐欺で過去最大の制裁金26億元

中国国家市場監督管理総局は、電気自動車(EV)購入補助金を不正に受給したとして、複数の自動車メーカーや関連企業に対し、総額約26億元(約400億円)の制裁金を科したと発表した。これは過去最大の制裁額であり、中国政府が補助金制度の不正に対して厳しい姿勢で臨んでいることを示している。

不正の手口と対象企業

当局の調査によると、不正受給は主に、実際には販売されていないEVを販売したように装う、あるいは補助金の条件を満たさない車両を不正に申請するなどの方法で行われた。制裁の対象となった企業には、国有自動車メーカーの第一汽車や、大手民間メーカーの比亜迪(BYD)などが含まれている。ただし、これらの企業は故意ではなく管理体制の不備が原因だったと主張している。

国家市場監督管理総局は、今回の制裁は「補助金制度の公正性を守り、業界の健全な発展を促進するため」と説明。不正行為に対しては「ゼロトレランス」の姿勢で臨むと警告した。

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制裁金の内訳と影響

制裁金のうち最大の約8億元は、第一汽車グループの子会社である第一汽車新能源汽車に対して科された。同社は、2016年から2018年にかけて、補助金の条件を満たさない車両を販売したとして告発された。比亜迪(BYD)は約5億元の制裁金を科され、その他、江淮汽車(JAC)や奇瑞汽車(Chery)なども制裁対象となった。

中国政府は、EV普及を促進するために2010年から補助金制度を導入。しかし、制度悪用が相次ぎ、当局は2016年から調査を強化していた。今回の制裁は、過去に摘発された事例と比較しても桁違いの規模であり、業界に衝撃が走っている。

専門家の見解

「今回の制裁は、中国政府が補助金制度の抜本的な改革を進める上での強力なシグナルだ」と、北京の自動車産業アナリスト、張氏は指摘する。「これまで不正は一部の中小企業に限られていたが、大手メーカーが対象となったことで、業界全体のコンプライアンス意識が高まるだろう」と述べた。

一方、制裁を受けた企業の一部は、手続き上の不備は認めつつも、故意の不正ではないと反論。今後の対応について、行政訴訟も視野に入れていると報じられている。

今後の展望

中国政府は、2022年末までに補助金を段階的に廃止する方針を示している。今回の制裁は、制度終了前に不正を一掃し、市場の信頼を回復する狙いがあるとみられる。また、補助金に代わる新たな政策として、EV購入時の税制優遇や充電インフラ整備の促進などが検討されている。

中国のEV市場は世界最大であり、2020年の販売台数は約130万台に上る。補助金制度の終了が市場に与える影響は大きいが、政府は技術革新とコスト競争力の向上により、持続可能な成長を目指している。

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