EV販売低迷で中国自動車大手が値引き合戦、業界再編の兆し
EV販売低迷で中国自動車大手が値引き合戦、業界再編の兆し

中国の電気自動車(EV)市場で、販売低迷を受けた値引き競争が激化している。業界最大手のBYDは2025年2月、主力モデルを最大2万元(約40万円)値下げするキャンペーンを開始。テスラも同月、中国製モデル3の価格を1万元引き下げた。この動きは、補助金縮小や需要減退により、2025年1月のEV販売台数が前年同月比で15%減少したことが背景にある。

値引き競争の実態

値引きの規模は過去最大級だ。BYDの「秦」シリーズは実質的な割引率が10%を超え、テスラも「モデルY」に対して保険料補助などの実質値引きを実施。新興メーカーの小鵬汽車(Xpeng)や理想汽車(Li Auto)も追随し、最大3万元の値引きを打ち出している。中国自動車工業協会のデータによると、2025年第1四半期の平均値引き率は12%に達し、業界全体の利益率を圧迫している。

業界再編の兆し

値引き競争の長期化は、体力のない新興メーカーの淘汰を促している。2025年に入り、少なくとも3社のEVスタートアップが生産停止や倒産を発表。一方、BYDや吉利汽車など大手は規模の経済を活かし、市場シェアを拡大している。アナリストは「今後2年以内に、現在の100社以上のEVメーカーが半分以下に減る」と予測する。

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政府も対策に動いている。商務省は2025年3月、EV購入時の補助金を最大1万元上乗せする方針を発表。また、地方政府は充電インフラ整備に追加予算を計上した。しかし、専門家は「短期的な需要喚起策では根本的な解決にならない」と指摘する。

消費者の反応

値引き合戦は消費者にとっては追い風だ。北京在住の30代男性は「同じ予算でより高性能な車が買えるようになった」と歓迎する。一方で、中古車価格の下落を懸念する声も聞かれる。調査会社のアンケートでは、消費者の60%が「値引きがさらに拡大するのを待つ」と回答しており、需要先食いの懸念も浮上している。

今後の見通し

中国EV市場の成長率は鈍化しているが、長期的には依然として世界最大の市場である。国際エネルギー機関(IEA)の予測では、2030年までに中国の新車販売の50%以上がEVになるとされる。しかし、当面は値引き競争と業界再編が続くとみられ、各社の収益性は悪化が避けられない。BYDの王伝福会長は「今年は生き残りをかけた戦いになる」と述べている。

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