EVシフト加速、中国勢が欧州市場で存在感拡大
EVシフト加速、中国勢が欧州市場で存在感拡大 (17.07.2026)

中国の電気自動車(EV)メーカーが欧州市場で急速に存在感を高めている。2024年には中国製EVの欧州向け輸出が前年比約40%増加し、欧州全体の新車販売に占める中国ブランドのシェアは約15%に達する見通しだ。これは、欧州連合(EU)が中国製EVに対する追加関税を検討する中でも、価格競争力と技術力で中国勢が優位に立っていることを示している。

中国EVメーカーの欧州戦略

中国の大手EVメーカーであるBYDや上海汽車集団(SAIC)などは、欧州市場での販売網を拡大している。BYDは2023年に欧州で約1万5000台を販売し、2024年には3万台以上を目標に掲げる。また、SAICの子会社であるMGモーターは、英国やフランスなどで人気を集めており、2024年上半期の欧州での販売台数は前年同期比で約50%増加した。

これらの企業は、中国国内での大量生産によるコスト削減と、バッテリー技術の進歩を武器に、欧州の競合他社よりも低価格なEVを提供している。例えば、BYDの「ATTO 3」は欧州で約3万8000ユーロから販売され、同じクラスの欧州メーカーのEVより約20%安い。

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EUの関税引き上げとその影響

EUは2024年7月、中国製EVに対する追加関税を最大で約38%に引き上げることを提案した。これは、中国が自国メーカーに不当な補助金を提供しているという調査に基づくものだ。しかし、実際には関税引き上げの影響は限定的との見方もある。中国メーカーは既に欧州内での生産拠点設立を進めており、BYDはハンガリーに工場を建設中で、2025年には稼働を開始する予定だ。これにより、関税を回避しつつ欧州市場への供給を強化できる。

また、中国メーカーの進出は欧州の自動車産業に新たな競争をもたらしている。フォルクスワーゲンやステランティスなどの欧州大手は、中国勢との競争激化を受けて、EVへの投資を加速させている。しかし、価格面での優位性は依然として中国勢にあり、欧州メーカーはコスト削減と技術革新が急務となっている。

消費者の反応と市場の将来

欧州の消費者は、中国製EVに対して品質面での懸念を抱きつつも、価格の安さから関心を示している。調査会社のデータによると、2024年に中国製EVを購入した欧州の消費者の約70%が「価格が決め手だった」と回答している。一方で、充電インフラの整備やアフターサービスの質が今後の普及の鍵を握る。

業界アナリストは、中国勢の欧州市場シェアは2030年までに20%を超える可能性があると予測する。ただし、EUの規制強化や地政学的なリスクが障害となる可能性もあり、今後の動向が注目される。

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