中国の電気自動車(EV)最大手である比亜迪(BYD)が、2024年の世界販売台数でドイツのフォルクスワーゲン(VW)を抜き、テスラに次ぐ世界第2位の自動車メーカーに浮上した。BYDの2024年の世界販売台数は前年比41%増の約425万台に達し、VWの約383万台を上回った。
BYDの急成長の背景
BYDの急成長は、EV需要の高まりと同社の積極的な価格戦略が要因だ。BYDは2024年、中国市場でEVとプラグインハイブリッド車(PHV)の販売を強化し、特に低価格帯の「シーシリーズ」や「秦」などの人気モデルが販売を牽引した。また、海外市場への展開も加速させており、東南アジアや欧州での販売が大きく伸びた。
一方、VWは2024年の世界販売台数が前年比2%減の約383万台にとどまった。VWは欧州市場でのEV需要の減速や、中国市場での競争激化に直面している。VWの中国販売台数は約293万台と前年比9%減少し、BYDの中国販売台数約370万台に大きく差をつけられた。
テスラとの差は依然として大きい
世界首位のテスラは2024年に約181万台を販売し、前年比1%増にとどまった。テスラは米国や中国での販売が伸び悩み、BYDとの差は縮まっている。ただし、テスラは2025年に低価格モデルの投入を計画しており、再び成長軌道に乗る可能性がある。
BYDは2024年の販売台数でテスラの2倍以上を記録したが、その多くは中国国内市場向けであり、海外販売比率はまだ低い。BYDの海外販売台数は約42万台で、総販売台数の約10%にとどまる。テスラは海外販売比率が約50%と高く、グローバルなプレゼンスでは依然として優位に立っている。
今後の展望と業界への影響
BYDの躍進は、世界の自動車業界に大きな衝撃を与えている。従来の自動車大手であるトヨタやVWがEVシフトに苦戦する中、BYDは中国市場での強固な基盤を活かして成長を続けている。2025年には、BYDはさらに海外市場への進出を加速させ、特に欧州や東南アジアでの販売拡大を目指す。
業界アナリストは「BYDの成長は中国のEV産業の競争力を如実に示している。今後、BYDがテスラを追い抜く可能性もある」と指摘する。一方で、BYDの低価格戦略は収益性に影響を与える可能性があり、持続可能な成長には課題も残る。
BYDの王伝福(ワン・チュアンフー)会長は「2025年にはさらに多くのモデルを投入し、世界市場でのプレゼンスを高める」と述べている。世界の自動車業界は、BYDの動向に注目している。



