BYD、2024年第2四半期決算発表 純利益は24%増
中国の電気自動車(EV)最大手である比亜迪(BYD)は、2024年第2四半期(4~6月)の決算を発表した。純利益は前年同期比24%増の約90億元(約1800億円)となり、過去最高を更新した。売上高も同26%増の約1600億元と堅調に推移している。
販売台数は第2四半期に約98万台と、前年同期比で約40%増加。特にプラグインハイブリッド車(PHEV)の販売が好調で、同セグメントの販売台数は倍増近い伸びを示した。一方、純EVの販売は約42万台と、市場全体の伸びを下回る結果となった。
値下げ競争の影響で利益率は低下
しかし、利益成長のペースは鈍化している。第1四半期の純利益は前年比約10%増だったが、第2四半期は24%増と加速したものの、市場の期待には届かなかった。その背景には、中国EV市場における激しい値下げ競争がある。BYDは2024年初頭から複数回にわたる値下げを実施しており、主力モデルの「秦(Qin)」シリーズや「宋(Song)」シリーズの価格を引き下げている。
これにより、粗利益率は第2四半期に約18.7%と、前年同期の約18.9%から微減。値下げが収益性を圧迫していることが明らかになった。BYDの李雲飛(Li Yunfei)広報部長は「市場シェアを維持するためには、価格競争は避けられない。しかし、コスト削減と技術革新で利益を確保する」と述べている。
海外市場への展開も加速
BYDは中国国内市場の成熟化を受け、海外市場への展開を加速している。東南アジア、欧州、南米などで販売網を拡大し、2024年上半期の海外販売台数は約20万台と前年同期比で3倍近く増加した。特に、タイやブラジルでの現地生産工場の稼働が寄与している。
しかし、欧州連合(EU)が中国製EVに対する追加関税の検討を開始するなど、貿易摩擦のリスクも高まっている。BYDはこれに対応するため、ハンガリーに工場を建設中で、2025年には稼働を開始する予定だ。
業界全体の動向と今後の見通し
中国EV市場は2024年上半期に前年同期比32%増の約494万台と成長を続けているが、成長率は鈍化傾向にある。中国政府のEV購入補助金の縮小や、ガソリン車との価格差縮小が需要に影響を与えている。また、競合他社の台頭も激しく、華為技術(ファーウェイ)と提携する賽力斯(Seres)や、蔚来汽車(NIO)などが高級EV市場でシェアを拡大している。
BYDは2024年通期で販売台数360万台を目標に掲げており、第2四半期末時点で約160万台を達成している。アナリストは「下半期はさらに値下げ競争が激化する可能性があり、利益率の低下が懸念される。しかし、BYDの垂直統合型ビジネスモデルは競合に対して優位性を持つ」と指摘する。
BYDの株価は決算発表後、香港市場で約2%下落した。市場は値下げ競争の長期化と利益率の低下を懸念している。一方、同社は2024年下半期に新型車種の投入や海外市場での販売拡大を計画しており、成長の持続性が問われている。



