中国のBYDが日本で新型軽電気自動車(軽EV)「ラッコ」を発売した。軽自動車規格のEVを日本専用に開発し、わずか2年半で市場投入にこぎつけた。BYDにとってラッコの成否は、日本攻略の試金石となりそうだ。
日本市場でのBYDの現状
BYDは2023年にEV「ATTO3」で日本の乗用車市場に参入。その後、小型車「ドルフィン」、EV「シール」「シーライオン7」、プラグインハイブリッド車(PHEV)「シーライオン6」とラインアップを拡充してきた。累計販売台数は1万台。世界では2025年だけで乗用車460万台を販売している。
BYD Auto Japan代表取締役社長の東福寺厚樹氏は「3年半かかって1万台か」との思いがあるとし、「伸びがほかの国に比べて一桁、場合によっては二桁くらい少ない」状況を認める。要因として、日本ではEV自体の普及が進まず(新車販売に占めるEV比率は約1.5%)、BYDが新規ブランドで保有客がおらず、乗り換え客の獲得のみで勝負せざるを得なかった点を挙げた。
なぜ「ラッコ」を開発したのか
BYDは2年半前に軽EVの開発を決定。日本で市場調査を実施し、特に地方で軽自動車が生活の一部になっている状況を見て挑戦を決めた。BYDにはエンジニアが12万人いるという。ラッコはBYDブランドの更なる浸透と、顧客基盤拡大のエントリーモデルとして重要な役割を担う。
BYD副総裁でBYD JAPAN代表取締役社長の劉学亮氏は「日本にフルコミットする」と宣言。ラッコの発売を「終わりではなく、新たな始まり」と位置づけた。
ラッコの特徴とグレード
BYD Auto Japan商品企画部担当部長の田川博英氏によると、ラッコの開発で目指したのは「一番広い車」でも「一番速い車」でもなく「一番いい軽自動車」。「広くて便利で静かで安全で、スムーズに加速する電気自動車」が目標だという。
ボディサイズは全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,800mm、ホイールベース2,520mm。新技術「X-PACK」により、駆動用バッテリーや電子制御ユニットをバッテリーユニット内に統合し、衝撃吸収スペースを確保した。
グレードは3種類:
- 200:一充電走行距離210km(バッテリー容量22.4kWh)、価格214.5万円
- 300Plus:一充電走行距離320km(35.84kWh)、価格239.8万円
- 300Premium:一充電走行距離320km(35.84kWh)、価格249.7万円
エントリーグレード「200」はCEV補助金15万円を差し引くと実質100万円台となる。



