東京都は、生成AI(人工知能)を活用した業務効率化を本格的に推進する方針を固めた。2025年度までに、都庁内の約200の業務に生成AIを導入し、職員の負担軽減と行政サービスの向上を目指す。都は、この取り組みを加速させるため、有識者や民間企業の専門家を交えた「AI戦略会議」を新たに設置する。また、生成AIの適切な利用を促すためのガイドラインも策定する。
生成AI導入の背景と目的
東京都は、少子高齢化による労働力不足や、行政需要の多様化・複雑化に対応するため、デジタル技術の活用を進めている。特に、生成AIは、文書作成やデータ分析、問い合わせ対応など、幅広い業務で効率化が期待できる。都は、生成AIの導入により、職員がより創造的で付加価値の高い業務に注力できる環境を整え、行政サービスの質を高めることを目指す。
都が導入を検討している業務には、議会答弁の原案作成や、住民からの問い合わせに対する自動応答システム、政策立案のためのデータ分析などが含まれる。また、庁内の業務マニュアルの作成や、外国語翻訳の精度向上などにも活用する計画だ。
AI戦略会議の設置とガイドライン策定
都は、生成AIの導入を円滑に進めるため、学識経験者やIT企業のトップ、弁護士などで構成される「AI戦略会議」を設置する。同会議では、生成AIの活用事例や課題、倫理的な問題などについて議論し、都としての基本方針をまとめる。また、生成AIの利用に関するルールを定めたガイドラインを策定し、職員が安心して使える環境を整える。
ガイドラインでは、個人情報の取り扱いや、AIが生成した情報の正確性の確認、著作権への配慮などについて具体的な指針を示す。都は、これらの取り組みを通じて、生成AIの利活用を促進するとともに、リスクを最小限に抑える方針だ。
都民サービスへの影響
生成AIの導入により、都民へのサービス向上も期待される。例えば、住民からの問い合わせに対して、AIが24時間対応できるようになれば、待ち時間の短縮や、より迅速な情報提供が可能になる。また、多言語対応の精度が向上すれば、外国人観光客や在住者への行政サービスも充実する。
都は、生成AIの導入効果を検証しながら、段階的に適用範囲を拡大する方針。2025年度までに約200の業務への導入を目指し、その後も順次拡大していく。都は「生成AIの導入は、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速する重要な取り組み。職員の業務効率化だけでなく、都民サービスの質の向上につなげたい」としている。



