防衛省は4日、イラン情勢を軍事面で分析し、AI(人工知能)の活用や無人機の大量運用といった「新しい戦い方」に日本も対応していくことが必要だと指摘する資料を公表した。年末の安全保障関連3文書の改定に反映させる方針だ。
米軍のAI活用で「作戦効率が飛躍的に向上」
公表されたのは、防衛省が8月31日に開いた防衛力変革推進本部の会合の資料。イラン情勢について、米国とイスラエルは大量のミサイル攻撃に、AIや無人機といった先端技術を組み合わせて攻撃したと分析。特に米軍は、AIを活用した米データ解析企業パランティア・テクノロジーズの「メイブン・スマート・システム」を導入したことで「作戦効率が飛躍的に向上」したと指摘した。
日本も、意思決定で相手側に劣後せず、日米連携の実効性を確保するため、AI活用の推進が必要だとしている。
誤判断リスクへの懸念と「適切な人的関与」の必要性
一方で、AIでは確認手順や情報精査の時間が短縮され、誤認・誤判断のリスクが高まるとの指摘があるほか、入力データが不正確な場合に「誤判断につながる可能性」があると言及。意思決定に「適切な人的関与」を確保することが必要だとしている。
日本の地理的特性と「認知戦」への対応
またイラン側は、ホルムズ海峡の閉鎖により、軍事的に優位な相手に対して抗戦を継続し、山脈といった地理的条件を生かしたと指摘。日本も海に囲まれるといった特性を活用した戦い方への対応が重要になるとしている。
さらに、米国などの攻撃後に生成AIによるフェイク映像がSNSで拡散するなど、世論に影響を与えようとする「認知戦」の高度化も特徴として挙げた。日本も、偽情報を見破り、迅速かつ適切な情報発信をする能力の強化が必要だとしている。



