「気候」「DEI」で二重標的、トランプ政権圧力に研究者困惑
「気候」「DEI」で二重標的、トランプ政権圧力に研究者困惑

2025年4月18日、米西部ロサンゼルス近くのカリフォルニア大学アーバイン校で教授を務めるキャスリーン・ジョンソン(52)は、大学の事務局から転送されてきたメールを受け取った。「研究プロジェクトがNSF(全米科学財団)の優先事項と合致しない」と記され、具体的な理由は書かれていなかった。

嫌な予感はしていた。共和党の上院議員テッド・クルーズが2024年10月に実施したNSFの助成事業の調査で問題視された約3千件のプロジェクトの一つだったからだ。このプロジェクトは「気候正義」に関連するもので、気候変動とDEI(多様性・公平性・包摂性)の両面で政権から標的にされた形だ。

研究の中断と今後の見通し

ジョンソン氏の研究は気候変動の影響をテーマとしており、政権の方針転換により助成の打ち切りが決まった。大学を通じて通知されたが、詳細な説明はなく、研究者側に戸惑いが広がっている。

トランプ政権下では、気候変動対策やDEIに関連する研究が優先事項から外れるケースが相次いでいる。今回のケースもその一環とみられ、科学界からは懸念の声が上がっている。

影響と今後の焦点

この助成打ち切りにより、ジョンソン氏の研究チームは資金源を失い、プロジェクトの継続が困難になる可能性がある。研究の中断は、気候変動分野における米国の科学力低下につながるとの指摘もある。

政権の圧力は今後も続くとみられ、研究者たちは対応を迫られている。ジョンソン氏のプロジェクトが再開されるかどうかは不透明で、今後のNSFの動向が注目される。