ランサムウェア被害による業務停止が54%に達した。Netskope Japanのチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジストである大元隆志氏の分析によれば、被害が「なし」または「軽微」に分類されたケースは47%で、残りは「一部停止」や「重大」に該当する。
「重大」に分類された報告書を分析すると、基幹システム、受発注業務、配送業務に関わるシステムやグループ内共通IT基盤が標的となった場合、業務への影響が大きくなる傾向がある。再発防止策としてEDR導入が挙げられることが多いが、業務影響を最小化する視点では、個々のパソコンの監視強化よりも、業務影響の大きいサーバー側の事業継続性を高める対策を優先すべきだ。
新興グループ「The Gentlemen」の台頭
日本企業を攻撃したランサムウェア攻撃グループの攻撃件数では、昨年アサヒグループを攻撃したQilinが2位、新興グループ「The Gentlemen」が1位となった。全世界ではQilinが1位、The Gentlemenが2位である。
eCrime.chの情報によれば、The Gentlemenが最初に観測されたのは2025年9月10日。1年未満でQilinに次ぐ活動量を見せている。Windows環境を標的とし、Windows Defenderの無効化機能と「自己増殖機能」を持つ。この機能により、1台の端末に感染すると、到達可能なIT機器を自動的に探索し、感染を拡大させる。
日本企業では同グループの被害に遭った12社のうち、業務影響が重大が3社、一部停止が5社に分類された。
自律型ランサムウェア「JADEPUFFER」の登場
今年上半期、AI関連の話題が多くランサムウェア被害減少の印象があるかもしれないが、攻撃頻度は増加傾向にある。注目すべきは、自律型ランサムウェア「JADEPUFFER」(ジェイドパファー)の登場だ。JADEPUFFERは人間のオペレーターを介さず、LLM(大規模言語モデル)によって実行されるAgentic threat actor(ATA)として初めて分類されたランサムウェアである。
上半期の状況を踏まえ、経営計画においては事業継続性を重視すべきである。



