世界のサイバー攻撃17%増、ランサムウェア新勢力「The Gentlemen」が台頭
サイバー攻撃17%増、新ランサムウェア勢力台頭

Check Pointは2026年7月9日(現地時間)、2026年6月の世界サイバー脅威動向を公表した。組織当たり週平均サイバー攻撃件数は2270件で、前年同月比17%増、前月比10%増と広範囲で増加している。

ランサムウェア攻撃が33%増加、新グループが首位に

ランサムウェア攻撃件数は6月に646件で、前年同月比33%増。被害業種はビジネスサービス31%、消費財・サービス16%、産業製造14%で、消費財・サービスは4月14%、5月15%、6月16%と増加傾向。政府分野も4.0%、4.3%、5.4%と上昇した。

地域別のランサムウェア被害割合は北米44%、APAC23%、欧州22%。APACは4月16.8%から6月22.6%に拡大し、調査対象地域で最も伸び幅が大きかった。

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ランサムウェア勢力図に異変、新興グループが台頭

活動量上位グループでは、The Gentlemenが公開攻撃件数全体の17%を占め、11%のQilinを抑えて首位に。LockBitは前月1%から7%に増加し3位となった。

The Gentlemenは2025年半ばに設立されたRaaS運営組織で、関連フォーラムで攻撃実行アフィリエイトを募集。RaaS提供機能に加え、初期侵入経路提供機能も持ち、事前侵入済みFortiGate機器約1万4000台へのセルフサービス型アクセスを提供。公開被害件数は320件超、Check Point Research分析では実際の侵入件数推定1570件超。Windows、Linux、ESXi対応の暗号化機能を備え、2026年5月にはEDR回避手法変更も公開した。米国の被害割合は12%に留まり、ランサムウェア全体では米国が被害の約半数を占めるのに対し、同グループは侵入済み機器の所在地が被害地域を左右する構造だ。

Qilinは2022年から活動実績を持つRaaS組織で、旧名称AgendaからQilinに改名後、Rust製暗号化機能や運営基盤を拡充。RansomHub活動終了後はアフィリエイトの募集を強化し、2025年3月以降は情報公開件数を増やした。

LockBitは2019年開始のRaaS組織で、2021年に機能強化版を公開。主な標的は大企業と政府機関で、身代金支払いがない場合、窃取データ公開日時を示す運用を採用。暗号化速度の高さでも知られる。

業種別ランサムウェア被害、教育分野が最多

業種別では教育分野が週平均4816件で首位。前年同月比16%増。政府分野は2836件で同5%増、通信分野は2835件で同13%増。教育機関は開放的なネットワーク、多数の端末入れ替え、限られたセキュリティ資源などから標的になりやすい状況が続いた。政府分野と通信分野も高い攻撃件数を記録し、全世界の攻撃件数に占める割合が大きい状態が続いた。

地域別では中東・アフリカが週平均3501件で首位、前年同月比27%増。APACは3060件で同5%増、欧州は22%増、北米は14%増。アフリカは3008件で前年同月比9%減と、調査対象地域で唯一減少した。

生成AIプロンプトの26件に1件が高リスク

生成AI利用に伴う情報漏洩リスクも調査。企業ネットワークから送信されたプロンプトの26件に1件が機密情報を扱う高リスクな内容とされ、世界平均のリスク率は3.9%。生成AIを頻繁に利用する組織の85%で高リスクなプロンプトが確認された。高リスクと判断されたプロンプトとは別に、27%のプロンプトが機密性を持つ可能性のある情報を含んだ。2026年6月の1カ月間で、各組織は平均7種類の生成AIツールを利用し、利用者1人当たり平均78件のプロンプトを生成した。

地域別の高リスク率は中東・アフリカ5.2%、欧州3.9%、北米3.6%、APAC3.5%。業種別では医療分野が5.7%で首位、通信分野とビジネスサービス分野が各5.1%、情報技術分野が4.1%で続いた。

プロンプトに含まれた機密情報では、個人情報が80%の組織で確認。ネットワークやインフラ関連情報は62%、法律・規制関連情報は61%、財務情報は60%、従業員情報は57%で、広範な種類の情報が生成AIツールへ入力された実態を示した。

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調査は、世界各所で攻撃件数増加が広がった状況、生成AI利用に伴う情報漏洩リスク分布、ランサムウェア勢力図変化を示す内容となった。なおCheck Pointによる今回の発表は、二重脅迫型グループが被害者情報を公開するリークサイトの掲載情報を同社が収集・分析したものだ。