警視庁は21日、人工知能(AI)が生成した偽の音声電話を使い、都内の企業から約1億円を不正に送金させた事件が発生したと発表した。新たな詐欺手口として警戒を呼びかけている。
事件の概要
被害に遭ったのは東京都内のIT企業。今月16日、経理担当者のもとに、会社の社長を名乗る人物から電話があり、「取引先への支払いが必要だ」などと指示。担当者は指示に従い、指定された口座に約1億円を振り込んだ。
その後、実際の社長に確認したところ、電話をかけた事実はなく、詐欺であることが発覚。警視庁が捜査を開始した。
AI技術を悪用した手口
警視庁によると、犯人はAI技術を使って社長の声を精巧に再現したとみられる。電話の声は非常に自然で、担当者は違和感を覚えなかったという。こうしたAIを悪用した音声詐欺は国内では初の確認事例とされる。
警察は、SNSやWeb上で収集した音声データをAIに学習させ、特定の人物の声を合成する手法が使われた可能性があると分析している。
今後の対策と注意喚起
警視庁は、企業に対し、電話だけでなくメールや対面での確認を徹底するよう呼びかけている。また、不審な電話があった場合はすぐに警察に通報するよう求めている。
専門家は、AI技術の進歩に伴い、同様の手口が増加する恐れがあると指摘。企業のセキュリティ対策の強化が急務となっている。



