システム開発外注、72.6%が機能未確定の段階で選定開始 Engineerforce調査
外注先選定、72.6%が機能未確定で開始 Engineerforce調査

Engineerforceが実施した調査によると、システム開発の外注先を探し始めた時点で、回答者の72.6%が必要な機能が未確定の段階だったことが分かった。生成AIの普及でベンダーへの要求が変わったとの回答は92.7%に上り、速さとコストを重視する声が59.8%で最多となった。

機能未確定のまま外注先選定を開始

調査は2026年9月16日から24日にかけて、従業員数500名以上の企業に勤務し、過去2年以内にシステム開発・デザインの外注先選定に携わった会社員110名を対象に、インターネット上で実施された。

外注先を探し始めた時点で「何を作るかは決まっていたが、機能は未確定だった」との回答が54.5%に上った。「取り組む目的は決まっていたが、何を作るかは未確定だった」の14.5%、「予算や外注することは決まっていたが、目的から整理する段階だった」の3.6%を合わせると、72.6%が必要な機能を固め切れない段階で外注先選定を始めていた。

生成AIが選定基準を変化させる

生成AIが普及する前と比べ、システム開発ベンダーに求めるものが「大きく変わった」と回答した割合は44.5%、「やや変わった」は48.2%だった。両者を合わせた92.7%が、生成AIの普及による選定基準の変化を感じている。

要求が変わったと答えた102名に、以前より重視するようになった項目を複数回答で尋ねたところ、「AI活用で開発が速く、コストを抑えられること」が59.8%で最多となった。「開発プロセスで生成AIを活用していること」が44.1%、「本当に必要な機能を見極めて提案すること」が41.2%、「要件が固まる前から相談に乗ってくれること」が38.2%で続く。

ベンダーのAI活用への対応力を判断する際に確認したい項目では、「AI機能を組み込んだ開発の実績」が55.5%で最も多い。次いで「AI活用時のセキュリティ・情報管理の体制」が49.1%、「AIを前提としたUI/UX設計の知見」が41.8%となった。

要件未確定での外注に支障

必要な機能が固まっていない状態で外注先を探した80名に、選定時に感じた支障を複数回答で尋ねた結果、「要件定義は発注側で行うよう求められた」が48.8%で最多となる。「何から始めればよいかを相談できる相手がいなかった」が40.0%、「社内で要件を固めるのに時間がかかり、開始が遅れた」が35.0%、「要件整理のために別途コンサル会社を探す必要があった」が31.2%で続いた。

要件が固まっていない段階でシステム開発会社に相談する場合、担当者に求める対応では、「専門知識がなくても分かる言葉で説明してくれる」が50.0%だった。「実現が難しい点やリスクも理由を添えて伝えてくれる」と「要望に対して見直し案を示してくれる」は、いずれも43.6%となった。

このほか、「次に何を決めればよいかを整理してくれる」が30.0%、「最初に事業の目的や困りごとを聞いてくれる」が29.1%、「社内説明に使える判断材料を出してくれる」が27.3%だった。

「作り切る力」への期待と構想段階での相談意向

生成AIが普及した現在、システム開発ベンダーに「作り切る力」を期待するとの回答は36.4%、「どちらかといえば『作り切る力』を期待する」は43.6%だった。両者を合わせると80.0%となり、「一緒に考える力」よりも、開発を完遂する能力を期待する回答が多い結果となっている。

一方、「予算はあるが、何を作るべきかが固まっていない」段階でシステム開発会社に相談することについては、「積極的に相談したい」が30.0%、「相談したいが、要件が固まる前に相談するのは気が引ける」が52.7%だった。合計82.7%が相談する意向を示したものの、半数を超える回答者が構想段階での相談に心理的な抵抗を感じているようだ。

相談したい場面としては、「予算は確保できたが、何を作るべきかが決まっていない時」が48.4%で最多となった。「経営層からDX・AI活用を求められたが、具体策がない時」が44.0%、「既存システムの刷新は決まったが、方針が定まらない時」が37.4%、「新規事業の担当になったが、何から始めればよいかわからない時」が34.1%で続いた。

Engineerforceは調査結果を踏まえ、AI活用による開発速度やコスト面への期待が高まる一方、発注側では「何を作るか」を固め切れないまま外注先を探し始めるケースが多いと説明している。同社は、構想段階の相談からUI/UXデザイン、システム開発、保守運用までを支援するとしている。