北九州学研都市に大規模データセンター、小学校隣接で住民不安…着工延期へ
北九州学研都市に大規模DC、小学校隣接で住民不安

北九州市若松区の北九州学術研究都市で、大規模なデータセンター(DC)の建設が進んでいる。住民からは隣接する市立ひびきの小学校へ通う児童らへの影響を心配する声が広がっており、市と事業者は9、10日、それぞれ住民説明会を開催した。出席者によると、事業者は1棟目の着工時期について、「事業上の都合」として従来の11月から年度内へ延期する方針を明らかにした。

AI普及で世界的に建設加速

DCは大量の情報を処理・保存する施設で、AI(人工知能)の普及で世界的に建設が進んでいる。同所での建設は、米不動産投資会社のアジア・パシフィック・ランド(APL)グループが行い、DCの規模を示す総受電容量は120メガ・ワット。市は2023年、市議会の全会一致の可決を受け、事業者に市有地約6ヘクタールを建設用地として売却した。

住民からは反対意見が相次ぐ

DC2棟の建設が予定されており、今年2月以降、土地造成などの工事が相次いで着工している。しかし、市立小で最多という約1300人が通うひびきの小の隣に、高さ約42メートルの巨大な施設が建つといった内容が周知されるにつれ、住民らの不安が高まった。

登下校中の子どもらに危険が及ばないかや、稼働後の騒音や日照への影響などを懸念する声が上がっており、9日の市の住民説明会には約130人が参加。「なぜ学校の真横なのか」「今からでも事業者に土地を戻してもらうことはできないのか」などの建設反対の意見が相次いだ。

市側は、騒音や排熱、日陰といった懸念について、いずれも規制値をクリアしているなどとする事業者が示すシミュレーションを紹介。土地の所有権は事業者に移っているため、市に工事を止める権限はないとした上で、「市として責任を放棄するつもりはない。不安点を事業者と解消していきたい」と述べた。