JR・京王・東武、日立の鉄道AI「HMAX」で何が変わるか?熟練者の知見をAIに
JR・京王・東武、日立の鉄道AI「HMAX」で何が変わるか

日本の鉄道業界で、日立製作所が開発した鉄道AI「HMAX」の導入が相次いでいる。東武鉄道や京王電鉄が先行して取り組みを進めており、車両検査の効率化や安全性向上に成果を上げている。さらに、熟練者のノウハウをAIエージェントに取り込む「広義のHMAX」への発展も視野に入れ、ローカル線への導入可能性も模索されている。

東武鉄道:ICタグと車両検査の自動化で業務改革

日本初のHMAX導入事例となった東武鉄道では、ICタグによる業務プロセスの可視化と車両検査の自動化が進められている。日立製作所の安達氏は「始めからソリューションの導入ありきで進めなかったという点が重要」と強調する。東武はまず自社の課題を徹底的に洗い出し、その解決による費用対効果を精査する「上流工程」に多くの時間を割いたという。東武の年間予算を踏まえ、「この金額だったら入れられるよねという話になった。費用対効果を考え、お客様が得する仕組みを作った」と安達氏は語る。

京王電鉄:AI支援で高所作業を削減、安全性向上

京王電鉄とは、車両のデータ分析などデジタル活用について長年共同検討を重ねてきた。2023年から高幡不動検車区で車両外観検査装置の検証・設置を進め、屋根上部のモニタリングについてはAI支援機能(点検対象機器の画像切り出し)を実装したシステムを2025年8月から運用開始した。これにより点検作業の効率化に加え、高所作業を減らすことで安全性の向上にも貢献している。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

業界共通プラットフォームへの展望

東武と京王では異なる取り組みが行われているが、安達氏は「民鉄業界ではAIの技術を1つの会社だけで持つのではなく、業界で共通化していこうという流れがある。当社としても各社と協調しながら、業界全体のプラットフォームにしていくことを目指している」と述べ、業界横断的な展開を示唆した。

「広義のHMAX」:熟練者のノウハウをAIエージェントに

物理センサーでデータを取得しAI分析する現状のHMAXは「狭義のHMAX」に過ぎないと安達氏は指摘する。真の目標は「広義のHMAX」、すなわち熟練技術者の知見をAIエージェントに取り込み、人手不足が深刻なローカル線でも高度な保守を可能にするシステムの構築にある。将来的には、センサーに頼らずともAIが点検・診断できる仕組みを目指している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ