Gensparkの特徴:70種類以上のAIモデルを使い分け
ChatGPTやClaudeが自社のAIモデルしか使えないのに対し、Gensparkは70種類以上のAIモデルを用途ごとに使い分け、仕事で使える成果物を作成する。スローガンは「AI for the rest of us.(残り大多数の人々のためのAI)」で、これは1984年にAppleがMac発表時に使った「Computer for the rest of us.」をAI時代にアップデートしたものだ。
日韓で火がついた理由:文書文化と資料作成ニーズ
Gensparkの人気は日本と韓国で最初に火がついた。2024年末時点のユーザーの半数以上が日韓に偏っており、契約者のメールアドレスを見ると日本企業ばかりが並んでいたという。IT業界史では、Evernote、Twitter(現X)、Slackなど、日本で先にブレイクして世界で成功したサービスは多い。
Genspark社は日韓での成功理由を、両国の文書文化にあると分析する。社内稟議や社外調整を資料に落とし込む慣習が強く、調べてまとめて体裁を整える作業が重視されるため、成果物として使える書類を作成できるGensparkが受け入れられた。日本法人でGo-to-Marketを率いる中村圭佑氏は、初期ユーザーの多くがGensparkを「資料作成ツール」「仕事を終わらせる道具」として認識していたと語る。
日本の生成AI導入率は55.2%、活用方法がわからない企業が30.1%
総務省「令和7年版情報通信白書」(2024年度調査)によると、業務で生成AIを利用している企業の割合は中国95.8%、アメリカ90.6%、ドイツ90.3%と主要国が9割超える中、日本は55.2%と半数強にとどまる。白書は生成AI導入の懸念事項も調査し、日本で最も多かったのは「効果的な活用方法がわからない」で30.1%と米中より際立って多い。
Gensparkが日本で強いのは、AIとして認識される以前に資料作成ツールとして機能する点にある。COOのサンは「次世代のAIソフトウェアを作るのではなく、AIソフトウェアを使う次世代のユーザーを作っている」と述べている。
日本法人設立と1億ドル以上の投資
同社は2026年1月に日本法人を設立し、東京にオフィスを構えた。営業やマーケティングだけでなく、サポートや開発の一部も日本に置き、地上波テレビCM、電車・タクシー・新聞広告を展開。AIスタートアップの日本法人としては珍しい積極的なマーケティングだ。今後3年間で日本と韓国に1億ドル以上を投資する計画である。



