2025年は「AIエージェント元年」と呼ばれ、多くの企業がAIエージェントの業務活用に向けて検証プロジェクトを立ち上げた。しかし2026年半ばの現在も、検証段階で止まり本番業務への適用まで至っていない企業は多いのではないか。一体何が、AIエージェントの本番適用を阻んでいるのか。
AIエージェント導入が検証段階で止まってしまう理由
「AIエージェントの検証段階では、データ量は少なくシステム規模も小さいため、コストや運用負荷が問題になることはありません。個人情報や機密情報などを扱うこともなく、セキュリティもそこまで気にする必要はないでしょう。しかし、いざ本番環境への導入を検討するとなると、これらの課題が一気に顕在化します」
こう語るのは、日立ソリューションズの靱村岳史(セキュリティプロダクト本部 セキュリティプロダクト第1部 技師)だ。AIエージェントの検証はクラウドのテスト環境で行われることが多いが、本番環境では大量のデータを扱うことになるため、運用コストが一気に増大する。
また、本番環境では可用性や性能要件などを考慮したインフラ構築が求められる他、個人情報や機密情報を保護するための高度なセキュリティ対策も欠かせない。そのため、AIエージェントそのものの開発だけでなく、インフラ構築やセキュリティ対策に多くの工数とコストを費やすことになる。
低コスト+迅速にAIエージェントを導入する、Cloudflare開発者プラットフォーム
こうした課題の解決をめざし、日立ソリューションズが2026年6月から国内ディストリビューターとして取り扱いを始めたのが、米Cloudflare社の「Cloudflare開発者プラットフォーム」だ。もともとCDN(Content Delivery Network)ベンダーとして広く知られる存在だったCloudflare社だが、現在ではAIエージェントの開発・運用プラットフォームを提供するPaaS(Platform as a Service)ベンダーとしても存在感を高めつつある。
同社のPaaSは、AIエージェントの開発・運用プラットフォームとして次のような特長を備える。
優れたコストモデル
一般的なクラウドサービスは、CPU(Central Processing Unit)が「I/O処理完了待ち」「外部サービスの処理完了待ち」の待機時間中も課金対象となるが、Cloudflareは実際にCPUが処理した時間のみを課金対象とする。またクラウドの利用コスト高騰の主因となりがちなエグレス(データ転送)コストもCloudflare R2(オブジェクトストレージ)なら無料のため、AIエージェントの開発・運用コストを抑えられる。
日立ソリューションズの靱村技師によると、「当社でCloudflareを検証した際、一定の条件下においては、ハイパースケーラー(大規模なクラウド基盤を提供・運用するサービス事業者)のクラウドサービスを利用する場合と比べて、約半分のコストでAIエージェントを開発できました」という。
スピーディーな開発体験
ハイパースケーラーで開発・運用する場合、リージョン選択やスペック見積もりなど複雑なインフラ構築が必要だ。
しかしCloudflareはサーバレス基盤により、世界中のエッジに環境が自動展開されるため、AI開発に専念できる。
標準搭載のAIセキュリティ機能
AIエージェントを安全に運用するには、入力プロンプトや出力内容の常時監視が欠かせない。プロンプトインジェクションをはじめとする外部からの攻撃にも常に目を光らせる必要がある。
これらAI特有のセキュリティリスクに対処するには高度な専門性が求められるが、Cloudflareにはこれらの機能が標準搭載されている。また、それらを管理コンソール上から直感的な操作で制御できる他、セキュリティ状況を一目で可視化できる仕組みが備わっている。
AIエージェント開発を伴走支援
日立ソリューションズはコストを抑え、迅速で安全性に配慮したAIエージェントの開発・実行環境の提供にとどまらず、開発自体の伴走支援も行っている。
同社の選考者(セキュリティプロダクト本部 セキュリティプロダクト第1部 グループマネージャ)は、「当社では、データ整備やガイドライン策定で培った実績・ノウハウを活用することで、企業が安心してAIエージェントを業務へ導入・活用できる環境づくりを支援します。ぜひ当社にお任せください」と自信を見せる。



