Windows 11 26H2で応答性が最大20%向上、8GB PC向けの改善も
Windows 11 26H2で応答性が最大20%向上、8GB PC向けの改善も

MicrosoftがWindows 11のメモリー管理を改善し、操作の応答速度を最大20%向上させたことが、Windows Latestの報道で明らかになった。特に、メモリ容量8GB以下のPCで負荷を抑える仕組みが導入されている。

この改善は、2026年10月17日(現地時間)にWindows Latestが報じたもので、メモリ使用量の削減と応答性の向上を目的としている。ただし、数値は特定の条件下での測定結果であり、すべてのアプリやゲームが同じ割合で高速化するとは限らず、8GB以下のPCを推奨しているわけでもないと注意点が解説されている。

26H2でのメモリー管理改善の内容

Microsoftによると、26H2に導入した改善では、使用中のデータを従来より最大2GB多くメモリ上に保持する。これにより、メモリに保持するデータを増やし、ストレージへのアクセスを低減することで、複数アプリの実行やブラウザのタブを開いた際に応答性を維持する狙いがある。

加えて、搭載メモリが8GB以下のPCでは、ウィジェット機能をバックグラウンドで事前に読み込まない方式に変更した。これにより200MB超のメモリを解放できる。

ただし、最大2GBという数値は、Windowsのメモリ消費量が2GB増加することを意味するものではない。従来はストレージに退避していたデータを、より多くメモリ上に保持できるようになったという意味だ。Microsoftはこのほかにも、Windows全体のメモリ管理と効率性を改善しており、複数の最適化によってメモリ消費量の抑制と応答性の向上を図っている。

応答速度20%向上の測定条件と限界

冒頭の応答速度20%向上は、改善全体の成果について一部のデバイスで比較評価した結果だ。この比較にはWindows 11 26H2のビルド26300.9550と、25H2のビルド26200.7628が用いられ、スタートメニュー、検索、設定、エクスプローラーなどの応答時間が測定された。最大20%という数値は特定の条件下での結果であり、すべてのPCで同様の改善が得られるわけではない。

今回の性能改善は、Microsoftが2026年3月から進めてきたWindowsの品質改善に向けた取り組みの一環と位置付けられる。3月時点では基本的なメモリ消費量の削減と主要機能の高速化を表明。5月には、「その機能の使用時のみメモリーを消費する」という設計方針を打ち出した。その後、8GBメモリ搭載機の最適化に言及し、8月には年内の対応方針を明らかにした。

こうした改善が求められる背景の一つには、AIデータセンター向けの需要拡大に伴うメモリ価格の高騰がある。PCメーカーにとって製品価格を抑えることが課題となる中、限られたメモリ容量でもWindowsを快適に利用できることの重要性が高まっている。

8GBメモリの限界と今後の課題

それでも、メモリ使用量の削減だけで8GBの制約が解消するわけではない。Web閲覧、動画視聴、軽量なOffice作業と比べ、動画編集、ローカルAIモデルの実行、多数の高負荷アプリの同時利用では必要な容量が異なる。また、8GB搭載PCは、16GB以上のメモリを要件とするCopilot+ PCには該当しない。Windows 11の性能改善によって、こうしたハードウェア要件が緩和されるわけではない。

Windows Latestの記者は過去、8GBメモリを搭載した2016年製ThinkCentreで低遅延プロファイルの実験を行っている。この改善策は実際に効果があり、スタートメニューや検索の表示速度が高速化された。しかし、メモリー消費量が100%に近い状態では、表示速度の改善だけではあまり意味がなかったと指摘している。

つまり、利用目的に応じた適切なメモリ容量を確保する必要がある。Windows 11 26H2で導入された性能改善は、8GB搭載PCを含む幅広い環境で応答性の向上が期待できるものの、メモリ容量そのものの不足を解消するわけではない。8GB搭載PCの購入を考える際には26H2の改善だけで判断せず、用途に足るメモリ容量なのか検証することが望まれる。なお、改善機能は段階的に展開されており、すべてのPCですぐに利用できるとは限らない。