芝浦工大附属の生徒開発アプリが快挙、アプリ甲子園で三冠達成
芝浦工大附属の生徒開発アプリが快挙、三冠達成

芝浦工業大学附属中学高等学校(東京都江東区)の生徒が開発したアプリケーションが、2025年度にコンテスト優勝など数々の快挙を成し遂げた。同校の探究プログラム「SHIBAURA探究」を通じて生まれた成果だ。

生徒開発のアプリが校外で高評価

現高校3年の宮崎航大君が開発したアプリ「Paper CAD」は、建物模型を製作するためのツールだ。国土交通省のデータベースから建物の3Dモデルを読み込み、2D展開図へ自動変換する機能を持つ。これにより、建物の模型を自作する際の設計作業にかかる時間と負荷を大幅に削減できるという。

宮崎君は鉄道研究部に所属し、中学生の頃から鉄道模型ジオラマの製作に熱中してきた。模型製作に加えてコンピューターも得意だったため、2025年3月からアプリ開発を開始。大規模なアプリ開発は初めてだったことから、小中高生クリエーター向けの開発支援プログラム「未踏ジュニア」に応募し、開発資金50万円とメンターのサポートを受けた。

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アプリ内で立体を展開図に変換できるようになったのは2025年7月ごろ。9月から10月にかけて建物の3Dモデルを読み込む機能を実装し、2026年1月ごろには安定して動作するようになった。宮崎君は「いちばん苦労したのは、モデルの読み込みと展開図への変換の速度を上げることでした。現在は20秒ぐらいまで短縮できましたが、初めの頃は15分ほどかかっていました」と振り返る。

アプリ甲子園で三冠、その他の受賞も

このアプリは、日本最大級の中高生向けアプリ開発コンテスト「アプリ甲子園2025」で優勝、技術賞、Cygames賞の三冠を達成。さらに、国土交通省が推進する3D都市モデルプロジェクト「PLATEAU AWARD 2025」ではPLATEAU YOUTH賞を受賞し、「未踏ジュニア」では2025年度スーパークリエータに認定された。

同校の広報部長である杉山賢児教諭は「彼自身の興味関心や独創性が、本校の教育とマッチングした結果」と評価する。「彼は賞や名誉のために取り組んだわけではありません。自分の中にニーズがあって、世間もそのニーズに応えてくれて、0を1にする開発をした。それを理工系教育で支えているのが本校の強みだと思っています」と語る。

探究学習の成果と今後の展望

同校では2021年度から「SHIBAURA探究」を始めとした独自の教育課程がスタートした。中学では理工系の知識を駆使して社会課題の解決を目指すアイデアを出し、高校ではそのアイデアを現実にすることをゴールにしている。教員たちは「生徒の邪魔をしないこと」を心掛け、夏休みの宿題もほとんど出していないという。

探究科の教員たちは「失敗も成果だ」と生徒たちに繰り返し伝えている。金森教諭は「結果を求めると楽しさがなくなってしまうからです。結果はどうあれ、やってきたことに意味がある、というのは大事にしていますね」と話す。

同校の高校2年生には、2026年度の「未踏ジュニア」に選ばれた生徒もいる。杉山教諭は「本校が理工系であることと探究学習には、親和性があると考えています。“やらされ感”のない学びの中で、生徒は深い考察ができている。宮崎君のような生徒たちを世間に認めていただけることは、教育者としてこれ以上ない喜びです」と語った。

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