シャープが飲料を開発中「氷める氷」を作る「アイスラリー寒剤」の弱点と2つの解決策
シャープが開発中の飲料「アイスラリー寒剤」の弱点と解決策

シャープは現在、ある製薬会社と共同で飲料を開発している。理由は、法人向けにレンタルサービスを展開している「アイスラリー寒剤」の弱点を補完するためだ。「猛暑対策展」(東京ビッグサイト、7月17日まで)の会場で実際に試飲させてもらった。

シャープが製薬会社と共同開発中の飲料

アイスラリー寒剤は、液体が凝固点を下回っても凍らない過冷却現象を利用した独自の寒剤。一度(13時間ほど)冷やしたペットボトル飲料を取り出して振ると、瞬時に飲料が凍り出し、グラスに注げばシャーベット状のアイスラリーになる。

アイススラリーは、微細な氷と液体が混ざった状態。体内で氷が溶ける際に熱を奪うため、効率的に体を冷やせるのが特長だ。

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シャープは2025年5月から法人向けレンタルサービスを展開し、様々な業界で現場作業員の声を求めてきた。顧客にはトヨタ自動車や東海旅客鉄道(JR東海)、日本通運など大手企業も名を連ねている。

アイスラリー寒剤の2つの弱点と解決策

アイスラリー寒剤(出典:シャープ)

ただし、アイスラリー寒剤にはいくつかの弱点があった。1つは寒剤から取り出してすぐに振る必要があるため可搬性に欠けること。離れた場所で作業している人に届けたくても運ぶ間に溶けてしまう。

そこでサードパーティーと共同開発したのが、専用のクーラーボックスだ。厚い金属で囲まれたボックスの内部に物流用の蓄冷材「TEKION」2つとペットボトル飲料(6本まで)入れると、過冷却状態のまま移動し、目的地でアイスラリーを作れるようになる。

TEKIONはシャープが液晶材料技術を応用して開発した蓄冷材。いくつかの種類があり、融点が低いものは−24度、高いものは+28度と幅がある。この中から過冷却状態を維持できるものを選んだ。

もう1つの弱点は、飲料によってアイスラリーになりにくいものがあるという点だった。

アイスラリーになりにくい飲料とは?

別途展示していた手のひらサイズの「TEKION」は+12℃で溶けるタイプ。手で握ると効率的に熱をとってくれる

シャープはこの課題を解決するため、製薬会社と共同でアイスラリー化しやすい飲料を開発中だ。具体的な成分や製品名は未公開だが、過冷却状態から振ることで確実に氷の結晶が発生するよう調整されているという。

会場で実際に試飲したところ、通常のペットボトル飲料よりもシャーベット状になりやすく、口当たりも滑らかだった。暑い屋外での作業現場での需要が見込まれる。

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