三菱UFJ、貯蓄から投資へ大転換 預金連動型投信で個人資産を捉える
三菱UFJ、貯蓄から投資へ大転換 預金連動型投信

三菱UFJ銀行は2025年4月から、預金残高に応じて投資信託の保有残高が自動的に増える「預金連動型投信」という新たなサービスを開始する。これは、長年続く「貯蓄から投資へ」の流れをさらに加速させるための画期的な取り組みだ。

預金連動型投信の仕組み

このサービスの仕組みはシンプルだ。顧客が三菱UFJ銀行に預けている普通預金の残高に応じて、一定の割合で投資信託を自動購入する。例えば、預金残高が100万円の場合、毎月1万円分の投資信託を購入するといった具合だ。購入する投資信託は、三菱UFJアセットマネジメントが運用する低コストのインデックスファンドなどが候補となっている。

三菱UFJ銀行の担当者は、「これまで投資に踏み出せなかった預金者に、投資の第一歩を提供したい。預金と連動することで、投資のハードルを下げ、資産形成の習慣化を促す」と説明する。

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背景にある金融政策の変化

このサービスの背景には、日本銀行の金融政策の転換がある。長らく続いた超低金利政策の終了により、預金金利は上昇傾向にあるものの、依然として低水準だ。一方、株式市場は堅調に推移しており、投資信託を通じた資産形成のメリットが改めて認識されている。

さらに、2024年から始まった新しいNISA(少額投資非課税制度)の拡充も追い風だ。年間投資枠が拡大され、非課税期間が無期限となったことで、個人の投資意欲は高まっている。三菱UFJ銀行の戦略は、こうした環境変化を捉えたものだ。

預金者への影響とメリット

預金連動型投信の導入により、預金者は投資の知識がなくても、自動的に分散投資が可能になる。また、毎月一定額を投資するドルコスト平均法の効果も期待できる。例えば、預金残高が100万円の場合、年間12万円の投資となり、10年後には元本120万円に加え、運用益も見込める。

ただし、元本保証がない点には注意が必要だ。投資信託は値動きがあり、損失が生じる可能性もある。三菱UFJ銀行は、リスク説明を徹底し、顧客の理解を得た上でサービスを提供するとしている。

業界への波及効果

この新サービスは、他のメガバンクや地方銀行にも影響を与える可能性がある。預金連動型投信は、銀行にとっては預金流出を防ぎながら、手数料収入を得られるメリットがある。一方で、顧客の資産を預金から投資にシフトさせることで、銀行の収益構造も変化する。

専門家は、「このサービスが普及すれば、日本の家計の金融資産構成が大きく変わる可能性がある。現在、約1100兆円ある個人金融資産の半分以上が預金で占められているが、徐々に投資にシフトしていくだろう」と分析する。

三菱UFJ銀行は、2025年度中に預金連動型投信の顧客数を50万人、運用残高を1兆円に引き上げる目標を掲げている。この取り組みが、日本の「貯蓄から投資へ」の流れを本格的に加速させるか、注目される。

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