東京都、AI活用で災害情報収集システムを構築へ
東京都、AIで災害情報収集システム構築へ

東京都は2026年度から、人工知能(AI)を活用した災害情報収集システムの構築に着手する。このシステムは、SNSやドローンからの映像などをリアルタイムで解析し、被災状況を迅速かつ正確に把握することを目的としている。都は、この取り組みにより災害時の初動対応を大幅に効率化し、被害の軽減につなげたい考えだ。

システムの概要と活用技術

新システムでは、AI技術を用いてSNS上の投稿やドローンが撮影した映像から、建物の倒壊や道路の寸断、河川の氾濫などの情報を自動的に抽出する。従来は、災害発生時に担当者が目視で情報を確認し、地図に落とし込む作業に多くの時間を要していた。AIの導入により、このプロセスが大幅に短縮され、より迅速な状況把握が可能となる。

都は、システム構築に向けて2026年度当初予算案に約5億円を計上している。この予算は、AIの開発費や関連機器の調達費などに充てられる。都の担当者は「AIの活用により、災害情報の収集・分析を自動化し、職員の負担軽減と初動対応の迅速化を実現したい」と述べている。

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実証実験と今後のスケジュール

都は2025年度中に、一部の地域で実証実験を実施する予定だ。実験では、実際の災害を想定したシミュレーションを行い、システムの精度や運用上の課題を検証する。その結果を踏まえ、2026年度からの本格運用を目指す。また、将来的には他自治体との連携も視野に入れており、システムの標準化やデータ共有の仕組みづくりを進める方針だ。

このシステムは、2023年に発生した能登半島地震の教訓を踏まえたものだ。同地震では、通信インフラの断絶や情報収集の遅れが課題となり、初動対応に支障をきたした。都は、こうした課題を解決するため、AIやドローンなどの先端技術を積極的に活用する方針を打ち出している。

期待される効果と課題

システムの導入により、災害発生から初動対応までの時間を大幅に短縮できると期待されている。また、AIによる自動分析により、人手では見落としがちな情報も拾い上げることができ、より精度の高い被災状況の把握が可能となる。都は、これにより避難指示や救助活動の迅速化、効率的な物資の配分などが実現できると見込んでいる。

一方で、課題も指摘されている。SNS情報の信頼性やプライバシーの保護、ドローン運用の法的制約など、クリアすべき問題は少なくない。都は、これらの課題に対しては関係省庁と連携しながら、適切なルール作りを進めるとしている。

都の担当者は「システムの導入は、災害対応の大きな転換点となる。しかし、技術に頼りすぎず、職員の判断や地域住民との連携も重要だ。バランスを取りながら運用していきたい」と話している。

この取り組みは、他の自治体や国の防災政策にも影響を与える可能性がある。AIを活用した災害情報収集システムは、全国的な広がりを見せる可能性があり、今後の動向が注目される。

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