両備システムズ、札幌市との官民連携で旅費事務効率化実証実験、平均削減時間15.4分
両備システムズ、札幌市と旅費事務効率化実証、平均15.4分削減

両備システムズは6月23日、北海道札幌市と官民連携事業として、生成AIおよびAIエージェントを活用した自治体の旅費事務効率化に関する実証実験を2025年12月上旬から2026年3月下旬にかけて実施したと発表した。

自治体旅費事務の課題と実証の背景

自治体の旅費事務は、各自治体ごとに規程が異なるため、全国共通のシステムでは対応が難しく、手作業による確認作業が残っている。出張命令から行程作成、旅費計算、起案、承認(電子決裁)、精算に至る多段階の承認フローが職員の大きな負担となっている。

札幌市では全庁的な生成AI活用を進める中で、各部局に共通し影響範囲の大きい旅費事務の効率化を検討していた。しかし、既存の生成AIサービスでは札幌市の旅費制度に対応するのが困難だったため、民間事業者と共同で活用方法を実証することとなった。

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実証実験の概要とシステム構成

同社はSAPPORO CO-CREATION GATEを通じて「生成AI及びAIエージェントの活用による行政内部事務(旅費事務)の効率化・高度化」というテーマで提案を行い、官民連携による実証実験を実施した。

実証では、旅費事務支援機能に生成AIとAIエージェントを適用し、出張の条件(旅行者、日程、場所など)に応じた合理的な出張行程案の自動生成、出張行程に基づく旅費の自動計算、審査業務の効率化を行う旅費システムを構築した。

実証結果:作業時間削減効果と規程遵守率

札幌市が選定した複数の職員がシステムを用いて出張行程の作成と承認の事務手続きを実施し、作業時間と札幌市旅費規程の遵守率を集計した。システム利用時の削減時間を比較したところ、平均削減時間は15.4分、平均削減率は27.2%となった。

作業時間が長い手続き(出張に不慣れな職員や普段と異なる出張先など)ほど削減効果が大きく、一方で作業時間が25分以下の手続きでは作業時間が増加したケースも確認された。この結果から、生成AIとAIエージェントは職員間の経験差を補完する有効な手段である一方、出張条件や業務特性に応じた適用範囲の見極めが必要であることが分かった。

また、札幌市旅費規程のうち判断基準が明確で定型的に確認可能な規程を対象に、AIの提案と審査内容が規程に沿っているかを職員が評価した結果、評価項目において98.1%が規程に沿っていると判定された。

今後の展開と他業務への応用

今回の結果から、生成AIとAIエージェントは旅費規程に基づく確認作業を一定水準で支援できる可能性が示唆された。ただし、完全な精度には至らないため、補助ツールとしての位置付けを前提とした運用ルールの整備が必要であることが判明した。

今後は、他自治体の旅費規程でも同様の効果が得られるか継続的に検証し、公開羅針盤V4庶務事務システムへの実装を目指す。さらに、職員間の経験差に作業時間が左右される業務に対して高い適用効果が確認されたことから、旅費事務以外の行政内部事務についてもAIの適用を検討していく方針だ。

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