米半導体大手エヌビディアは16日、日本企業や研究機関との連携を相次いで発表した。自動運転やロボット、製造など幅広い分野で人工知能(AI)の活用を進めていく。日本をAIの重点市場と位置づけ、強みを持つ半導体にとどまらず、AIソフトウェアや基盤モデルまで事業領域を広げる構えだ。
4社と「フィジカルAI」事業化検討
富士通、ファナック、安川電機、川崎重工業の4社はこの日、エヌビディアと共同で記者会見を開き、AIでロボットを自律的に動かす「フィジカルAI」の事業化に向けた検討を始めると発表した。会見では、エヌビディアのジェンスン・ファンCEO、富士通の時田隆仁社長、ファナックの山口賢治社長、安川電機の小川昌寛副会長、川崎重工の橋本康彦社長がグーサインで笑顔を見せた。
事業化を引っ張る富士通の時田社長は「ロボットが、業務プロセス全体で最適化された計画に沿って自律的に動くようになり、現場での圧倒的な生産性向上が可能になる」と述べ、意義を強調した。
トヨタや他分野でも連携拡大
エヌビディアとの連携はロボット以外にも広がる。トヨタ自動車は、自動運転や次世代車へのエヌビディア技術の導入を進める方針。また、エヌビディアは日本の研究機関とも協力し、AI基盤モデルの開発や人材育成を支援する予定だ。
高市首相も海外投資の呼び込みに積極的で、経営者との面会や投資促進の仕組み作りを進めている。エヌビディアの日本市場への注力は、政府のAI戦略とも合致する。
日本市場の重要性
エヌビディアは日本をAIの重点市場と位置づけ、半導体販売だけでなく、ソフトウェアやソリューション提供まで事業を拡大している。同社のファンCEOは「日本は製造業やロボット工学で世界をリードしており、フィジカルAIの実現に最適なパートナー」と述べた。
今回の連携発表は、エヌビディアが日本市場でAIエコシステムの構築を加速させる戦略の一環とみられる。自動運転やスマート工場など、具体的な応用分野での成果が期待される。



