東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と埼玉県は、人工知能(AI)を活用した防災・災害対応の連携に関する協定を2025年6月25日に締結した。この協定は、県民の安全・安心の確保を目的とし、生成AIを含む先端技術を災害情報の収集・分析・提供に活用する枠組みを定めている。
協定の背景と目的
埼玉県は、地震や風水害など多様な自然災害リスクに直面しており、迅速かつ的確な災害対応が求められている。NTT東日本は、通信インフラの強靭化とともに、AI技術を活用したソリューションの開発を進めてきた。今回の協定は、両者の強みを活かし、災害時における情報伝達の効率化と避難所運営の高度化を図るものである。
協定の主な内容として、生成AIを用いた避難所運営支援システムの構築が挙げられる。このシステムは、避難所の混雑状況や物資の需給をリアルタイムで分析し、運営スタッフの負担軽減を目指す。また、道路の冠水や倒木などの被災状況をAIが画像認識で把握し、迅速な復旧活動につなげる。
具体的な取り組み
NTT東日本は、埼玉県内の自治体と連携し、AI防災情報システムの実証実験を開始する。実験では、県が保有する防災カメラの映像をAIが解析し、河川の増水や道路の異常を自動検知する技術を検証する。さらに、SNS上の災害関連投稿をAIが収集・分析し、県民への注意喚起に活用する計画だ。
埼玉県知事は「この協定により、最新のAI技術を防災現場で実装し、県民の安全をより確かなものにしたい」と述べている。NTT東日本埼玉支店長も「通信事業者としてのノウハウを活かし、地域の防災力向上に貢献する」とコメントした。
今後の展開
両者は、2025年度中にAI防災情報システムのプロトタイプを開発し、2026年度からの本格運用を目指す。また、将来的には他県への展開も視野に入れている。この協定は、自治体と通信事業者が連携し、AI技術を社会実装する先進的な事例として注目される。



