デル・テクノロジーズ株式会社は2026年6月16日、都内にて法人向け新製品の発表会を開催した。本記事では発表会の様子をレポートする。
ブランド別シェアは伸長、トレンドは「エージェンティックAI」へ
発表会では最初にデル・テクノロジーズ 上席執行役員 クライアント・ソリューションズ営業統括本部長の猪瀬小里江氏が登壇し、法人市場の現況について説明があった。
日本国内の法人向けPC市場は前年比-15.6%と縮小傾向にある中、デルはブランド別シェアを18%まで拡大し、国内1位を獲得して好調であることが語られた。
またビジネスユーザーの間でも昨今のトレンドはAI活用で、これまでの生成AIからエージェンティックAIにシフトしているという。エージェンティックAIとは「AIが自律的に考え、作業を行う」ことであり、普及すれば業務における生産性は最大30倍まで向上すると予測していると猪瀬氏は言及した。
ただ、そこで懸念されるのがトークンコストやセキュリティだ。クラウドだけでAIを利用するとトークンコストが高く、重要なデータを外部に送信することはセキュリティの懸念にもなる。「そこでローカルのAI PCやワークステーションなども活用し、ハイブリッドAIを目指すことが来るエージェンティックAI時代に求められる環境になっていく」とデル・テクノロジーズでは考えているとのことだった。
新ブランド「Dell Pro」の展開、最新AI PCも投入
こうしたエージェンティックAIの活用、ハイブリッドAIの構築に最適化された新製品については、レベニューオペレーション統括本部クライアント・ソリューションズプロダクトマーケティング部フィールドプロダクトマネージャーの若杉歌乃氏より紹介があった。
法人向けの製品について、今後は「Dell Pro」シリーズに統一されることが発表された。これに伴い、ワークステーションブランドの「Precision」も今後は「Dell Pro Precision」として展開されること、そして新製品としてデスクトップ型のワークステーション「Dell Pro Precision」、ノート型のワークステーション「Dell Pro Precision 5 14S/16S」があわせて発表された。
また新製品を含むDell Proシリーズでは、セキュリティ強化のために「量子ハッキング耐性エンベデッドコントローラー」や、パートナー製品・エコシステムを活用した「Dell Trusted Workspace」の多段防御アーキテクチャを採用している。
将来、量子コンピューターによる暗号解読の脅威に今のうちから備えること、近年増加するランサムウェアへの対策を予め施して出荷することで、同社のPCがハードウェアだけでなくソフトウェアでも堅牢で信頼のおけるデバイスであることがアピールされた。
セキュリティとAIをPCで備える重要性
発表会ではパートナー企業として、ハルシオン・ジャパン株式会社のカントリーマネージャーの露木正樹氏、日本マイクロソフト株式会社のWindows & デバイス事業本部 パートナーディベロップメントマネージャー 朝比奈 洋介氏も登壇した。
露木氏は最新のランサムウェアの脅威と現状について語り、ランサムウェアの被害の復旧には平均で2.3億円ものコストがかかることや、バックアップを意図的に破壊する攻撃も多く、被害に遭う前の対策の重要度が高くなっていると述べた。
朝比奈氏はAI活用において、クラウド以上にPC上に常駐させる価値が高まっていると話し、ネットワーク環境に依存せず、AIによる生産性の向上の恩恵をいつでも受けるため、ローカルでのAI処理能力が重要になってくると、AI時代にあったPC選びが急務であると述べた。
AIが当たり前になるからこそ、改めてツールを見直すタイミング
今回の発表会ではAIの恩恵をさらに受けるため、企業がどのような製品を導入すべきかのわかりやすい指針が示される内容となっている。エージェンティックAIやハイブリッドAIなど、AI活用の次のステージに進むために何に投資すべきか迷ったときは、デル・テクノロジーズの製品はわかりやすい方向性を示してくれるはずだ。



