イラン、NATO事務総長を糾弾「違法な侵略戦争への積極的加担を自白」
イラン、NATO事務総長を糾弾「侵略戦争加担を自白」

イラン政府は6月25日、北大西洋条約機構(NATO)のマルク・ルッテ事務総長が、米国とイスラエルによる対イラン軍事作戦を支援したと発言したことを受け、NATOが「違法な侵略戦争」に「積極的に加担」したことを自白したと非難した。この発言は、ドナルド・トランプ米大統領がNATO同盟国を批判したことへの反論として行われた。

ルッテ氏の発言の詳細

ルッテ氏はFOXニュースのインタビューで、米国の対イラン軍事作戦「エピック・フューリー(壮絶な怒り)」について言及し、「次から次へと多くの国や同盟国が自国の基地を提供した」と述べた。さらに「エピック・フューリーを支援するため、イタリアにある米軍基地から米軍機500機が飛び立った」と具体的な数字を挙げてNATO諸国の支援を強調した。

トランプ大統領は24日、ルッテ氏に対し、NATO同盟国が対イラン戦争で米国を支援しなかったことに「失望させられた」と不満を表明していた。これに対してルッテ氏は、NATOの貢献を明確にする必要があると考え、支援の実態を明かしたとみられる。

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ルッテ氏はまた、ルーマニアが対イラン軍事作戦中、民間便を削減してまで米軍に空港の航空燃料給油施設を使用させたと述べ、同盟国の協力を強調した。

イランの反応と糾弾

これに対し、イラン外務省のイスマイル・バガイ報道官はX(旧ツイッター)で、ルッテ氏の発言は「国連に加盟している主権国家に対する違法な侵略戦争にNATOが積極的に加担していたことを示す、明白で致命的な自白だ」と批判した。バガイ報道官はさらに、NATOの行動は「国際法の強行規範および国連憲章の核心原則の明白な違反だ」と糾弾し、国際社会に対してNATOの責任を問うよう求めた。

イラン政府は、米国の軍事作戦そのものが違法であるとの立場を堅持しており、NATOの支援は侵略行為への加担に他ならないと主張している。

イタリアの反応と火消し

一方、イタリアは即座にルッテ氏の発言から距離を置く対応に追われた。イタリア国防省は声明を発表し、ルッテ氏の発言は「許可された飛行の種類を混同し、完全に誤解を招くメッセージを与えている」と非難した。同省は、イタリアが「エピック・フューリー」の期間中に許可したのは、米国との既存の協定に基づく「技術的および後方支援的」飛行のみであり、戦闘任務のための飛行ではないと釈明した。

イタリア政府は、NATO加盟国としての義務を果たしつつも、紛争への直接関与を避けたいという立場を示しており、今回のルッテ氏の発言が誤解を生んだと強調した。

NATOと米国の緊張関係

第2次トランプ政権はNATO同盟国との間で緊張関係に直面しており、特に中東での紛争への関与の必要性を巡って意見の相違が顕在化している。NATO加盟国の多くは、イランとの全面戦争に懐疑的であり、外交的解決を模索する姿勢を見せている。今回のルッテ氏の発言は、そうした同盟国間の溝を浮き彫りにした形だ。

トランプ大統領は以前からNATO同盟国に対して軍事費の増額を要求しており、対イラン作戦への支援が不十分だとの不満を繰り返し表明している。ルッテ氏の発言は、NATOの結束を示す意図があったとみられるが、結果的にイランの反発を招き、イタリアの困惑を引き起こした。

国際社会では、この問題を巡り、NATOの役割や米国の軍事行動の正当性を問う声が高まっている。イランは国連など国際機関を通じてNATOを非難する方針で、さらなる外交的対立が予想される。

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