マイクロソフトは、Microsoft 365 CopilotをChat・Cowork・Autopilotの3区分に整理し、生成AIの役割を会話相手から実務の自律実行へと拡大している。
Autopilotの実像:Microsoft Scout
3つ目のAutopilotは、利用者の指示を逐一待たず、継続的に仕事を進めるエージェント区分だ。ここに位置づけられるMicrosoft Scoutは、製品名にCopilotを冠さず、ローカルPCとクラウドを横断してタスクを実行し、ブラウザ操作や最新情報の監視まで受け持つ。現在は、希望者が申し込んで参加する先行提供枠「Frontierプログラム」経由でのみ提供されている。
Copilotの語源である「副操縦士」の役割が、会話の相手から実務の代行者へ広がっている。
会議から成果物まで一気通貫のCowork
デモの題材は、自社メディアの編集長からメールでイベントのまとめ記事作成を頼まれた社員の仕事だった。Teams会議の議事録をCopilot Chatに読み込ませてやるべきことを整理し、生成したプロンプトをCoworkに渡すと、情報収集、レビュー会議の招集文更新、記事の下書きとFAQの作成までを個々の作業に分解し、並行して実行する。工程が終わるたびにチェックが付き、WordやPowerPointなどの成果物が出力される。実際の処理には10〜15分、内容によっては1時間ほどかかるといい、当日は事前に実行しておいた結果を早回しで見せる形だった。
依頼メールの差出人が誰かを指示しなくても、Coworkは「編集長からの依頼」という文脈を踏まえて作業を進めた。これを支えるのがWork IQという基盤だ。Microsoft 365上のメールやチャット、会議、ファイルを言葉の意味に基づいて検索できる形に整理し、利用者が誰とどんな仕事をしているかという文脈をエージェントに渡す。以前からMicrosoft 365の裏側にあった検索基盤を、エージェントが高頻度に使う前提で作り直した。
Work IQはスキルとツール、コンテキスト、データの3要素で仕事の文脈をAIに渡す。CoworkやScoutは外部のAI企業やオープンソースの技術を下敷きにしているが、元のサービスをそのまま使う場合との違いについて、マイクロソフトの山田氏は「チャットやメールや会議、そういった情報すべてを1つのデータソースとして活用できる」ため、利用者側で文脈を与えるためのデータ整備をしなくても、日々の業務から裏側で自動的に文脈が蓄積される点を挙げた。



