生成AIで過去の論文を現代風にリライト、研究の効率化に貢献
生成AIで過去の論文を現代風にリライト、研究効率化

科学技術振興機構(JST)は2025年7月9日、生成AIを活用して過去の学術論文を現代的な表現にリライトする新サービス「論文リライトAI」の提供を開始したと発表した。このサービスは、研究者が古い論文を読む際の負担を軽減し、研究の効率化を図ることを目的としている。

サービスの概要と背景

JSTによると、このサービスは大規模言語モデル(LLM)をベースに開発され、1980年代から2000年代にかけて発表された論文を対象に、現代の学術用語や表現に変換する。対象分野は物理学、化学、生物学、工学など幅広い。JSTは「過去の重要な研究成果が、古い表現のために現代の研究者に十分活用されていないという課題があった」と説明する。

具体的には、ユーザーが論文のタイトルやキーワードを入力すると、AIが該当論文を検索し、要約とともに現代風にリライトした全文を提供する。リライトの際には、専門用語の置き換えや、当時の略語の正式名称化、文構造の現代化などが行われる。JSTの担当者は「AIが原文の意味を正確に保持しつつ、読みやすくすることが重要だ」と述べている。

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期待される効果と今後の展開

JSTは、このサービスにより研究者の文献調査時間が平均で約30%短縮されると見込んでいる。特に、若手研究者や異分野の研究者にとって、過去の論文へのアクセス障壁が低下する効果が期待される。また、JSTは今後、論文のリライトだけでなく、研究データの整理や実験手順の自動生成など、研究プロセス全体を支援するAIサービスの拡充を計画している。

一方で、著作権や引用の正確性に関する課題も指摘されている。JSTは「リライトされた論文の引用時には、元の論文を明記する必要がある」と注意を促している。また、AIによるリライトが原文のニュアンスを損なう可能性についても、JSTは「人間の研究者による確認を推奨する」としている。

このサービスの利用は、JSTが運営する学術情報プラットフォーム「J-STAGE」を通じて無料で提供される。当面は日本語の論文のみを対象とするが、2026年には英語論文への対応も予定されている。

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