2020年4月、Zoomは中国サーバーを経由した通信を行っていることを公式に認めた。これを受け、NASAやSpaceXはZoomの使用を全面禁止。ニューヨーク市教育局も学校でのZoom利用を一時停止するなど、即座に警戒が強められた。
2020年8月、米国国防総省はDJI等の中国製ドローンを政府調達から排除。2022年10月、米国商務省は中国向け先端半導体・AIチップの輸出規制を発表。2023年2月、米国ホワイトハウスは連邦政府機関に対し政府端末からTikTokを削除するよう指示。2024年4月、米国議会は中国製TikTokを全面禁止する法案を成立させた。
米中間の対立の背景に「AI覇権戦争」
近年加速する米中間の対立の背景には、AI覇権国家を巡る争いがある。世界各国はAIを国家戦略の中心に据える動きを見せている。
中国政府は2017年に「次世代人工知能発展計画」を発表し、2030年までに中国を世界のAIイノベーションの中心とする目標を宣言。2年後の2019年、米国政府は「米国AIイニシアチブ」を発表し、AIにおける世界的なリーダーシップを守り続けることを宣言した。
さらに欧州でもAI規制の整備が進み、中東でもAIを国家戦略の中心に据える政策が次々と発表されるなど、世界各国がほぼ同時に国家戦略としてのAI政策を打ち出し始めた。日本も「AI戦略2022」を発表している。
AIは現代を象徴する優れた技術だが、デジタルテクノロジーの進歩が著しい昨今、AIだけが国家戦略の中枢を担うのはなぜか。その答えは「意思決定」にある。



