AI・半導体バブル崩壊が6月に始まったと確信する理由:テックバブルとの類似点
AI・半導体バブル崩壊が6月に始まった理由

韓国の株式市場では26日、一時サーキットブレーカーが発動するなど不安定な値動きが続いている。慶応義塾大学大学院教授の小幡績氏は、この6月に世界のAI・半導体バブルが崩壊し始めたと確信している。その理由として、1999年から加速したテックバブル崩壊局面との類似点を多数挙げている。

テックバブルとの共通点:グリーンスパン議長の警鐘と利上げ

テックバブルは1999年から加速したが、先日亡くなったアラン・グリーンスパンFRB議長は、1996年にすでに議会証言で「根拠なき熱狂」と株式市場のバブルに警鐘を鳴らしていた。バブルが長く続き、その中でも究極のバブルとして局所的に異常に爆発したのがドットコムバブルであり、今回のAI・半導体バブルと同じだと小幡氏は指摘する。

第2に、中央銀行が利上げを行ってもバブルは続いたが、最後には高い金利水準からのさらなる利上げでとどめを刺した。今回も、2020年からのコロナバブルの流れで、サプライチェーンショックによるコスト高と需要の強さから10%水準のインフレが続き、慌てて利上げを行い、それを下げ始めたところでサプライズ的に反転して利上げになりそうだという局面だ。新FRB議長ウォーシュ氏がFEDの大改革を打ち出し、タカ派と受け止められたことで投資家は金融政策の厳格化を恐れ始めた。

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ビジネスモデルの脆弱性:AI企業の収益は株価に見合わない

第3に、テックバブルは事業収益への疑問が台頭し、ビジネスモデルサイドからの要因が暴落を加速した。「ドットコム企業はインチキ企業ばかりで、AI半導体企業はまったく違う」というのがバブルをあおる側の議論だが、小幡氏はAIそのもの、ピュアな企業の収益モデルは非常に力弱いと指摘する。スペースXはインチキとは言わないが夢だけであり、時価総額300兆円規模と見込まれるOpenAIやアンソロピックも、それに相応する収益モデルのめどはまったく立っていない。周辺のパランティア・テクノロジーズはずるがしこく儲けているが、長期の持続性も疑問で、収益に見合う株価水準なら数十分の1にならないといけない。

半導体需要の減少と価格急落のメカニズム

確かに周辺の半導体企業への需要は実需であり、売り上げもあり、半導体の奪い合いで利益は10数倍以上となっている。しかし、AI企業群の雌雄が決すれば1社または2社程度しか残らず、他の競争企業の需要は激減する。勝ち残りの企業もライバルを圧倒するために過剰投資を行っていたため投資量が減る。半導体は奪い合いではなくなり価格も急落する。半導体企業の利益は激減し、株価も暴落する。

データセンター供給などAI企業に付随する巨大テック企業(ハイパースケーラー)は投資を激減させる。これにより半導体メーカーやその部材、データセンターへの部材供給企業への需要と価格が急低下するが、本体の財務は盤石で倒産リスクはない。しかし、作ったデータセンターなど巨額投資は無駄になり、大規模減損で株価は大幅に下がる。電力供給も余り、関連企業も同様だ。現在の収益モデルは中長期的に株価に見合っておらず、過剰投資をした中には倒産する企業も出てくるだろう。

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