NTTドコモは、2027年度までに全国の市町村で5Gの人口カバー率を90%に引き上げる目標を掲げた。これにより、地方創生の基盤となる高速通信インフラを整備し、過疎地域でのデジタル格差解消を目指す。同社は既存の4G基地局を活用しつつ、新たな5G基地局の設置を進める方針だ。
5Gエリア拡大の具体的な計画
ドコモは現在、全国の市区町村の約7割で5Gサービスを提供している。2027年度までに残る地域でもカバー率を90%に高めるため、特に人口密度の低い地域では、小型基地局やシェアリング技術を導入し、効率的な整備を進める。同社の担当者は「地方の自治体や企業と連携し、5Gを活用した新たなサービスを創出することで、地域経済の活性化に貢献したい」と述べた。
地方創生への応用事例
5Gの高速・大容量・低遅延の特性を活かし、ドコモは観光分野では遠隔地からのバーチャルツアー、農業分野ではスマート農業による効率化、医療分野では遠隔診療の高度化などを想定している。例えば、既に一部の自治体では、5Gを活用した観光案内ロボットの実証実験が行われており、観光客の満足度向上に寄与している。
技術的な課題と対策
過疎地域での5G整備には、基地局の設置コストや電波の届きにくさといった課題がある。ドコモは、既存の4G基地局を5G対応にアップグレードする「デュアルモード」方式を採用し、コストを抑えながらカバレッジを拡大する。また、山間部などでは、ドローンを活用した基地局の点検や、AIによるトラフィック予測で効率的な運用を図る。
競合他社との比較
KDDIやソフトバンクも同様に5Gエリア拡大を進めており、ドコモは2027年度までに人口カバー率90%を目標に掲げる。これに対し、KDDIは2025年度までに90%を目指すと発表しており、業界内での競争が激化している。ドコモは、地方創生に特化したサービスを差別化要因とし、自治体との連携を強化する方針だ。
今後の展望
ドコモは、5Gエリア拡大と並行して、6Gの研究開発も進めており、2020年代後半の実用化を目指す。6Gでは、さらなる高速化や低遅延に加え、地上と衛星の統合ネットワークが期待される。同社は、5Gで培った技術やノウハウを6Gに活かし、持続可能な社会の実現に貢献する考えだ。



